プロ野球

先発部門で際立った東と村上の快投ぶり。救援では竜の守護神マルティネスがほぼ総なめ【リーグ1位の男たち:セ・リーグ投手編】<SLUGGER>

藤原彬

2023.11.29

マルティネスは44試合連続自責点ゼロを記録するなど、圧倒的な安定感を誇った。写真:THE DIGEST写真部

 個人タイトルの対象ではなくとも、選手の凄みが詰まった部門のベスト3を紹介する。今回はセ・リーグの投手編だ。(※率系部門は先発で120投球回以上18人、救援が45投球回以上19人を対象)

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■奪三振率(奪三振×9÷投球回)
【先発】
1.今永昇太(DeNA) 10.58
2.バウアー(DeNA) 8.95
3.髙橋宏斗(中日) 8.94

【救援】
1.マルティネス(中日) 11.96
2.山﨑康晃(DeNA) 10.72
3.清水達也(中日) 10.41


 今永は前年の8.27から大幅に数値を上昇させてリーグトップに。7月7日の巨人戦で15奪三振の球団最多タイ記録を樹立するなど、年間174奪三振でタイトルレースを独走した。バウアーはメジャー時代より数字を落としたが、さすがの実力。髙橋は昨季の10.34からダウンも、145奪三振はリーグ2位で来季はタイトルも狙える。救援部門ではマルティネスが独走。最優秀中継ぎ投手のタイトルに輝き、奪三振数では救援最多(64)だった島内颯太郎(広島)は9.87だった。

■与四球率(与四球×9÷投球回)
【先発】
1.東克樹(DeNA) 0.78
2.大竹耕太郎(阪神) 0.82
3.村上頌樹(阪神) 0.94

【救援】
1.マルティネス(中日) 0.77
2.清水昇(ヤクルト) 0.99
3.山﨑康晃(DeNA) 1.59

 東は24先発のうち15試合で与四球ゼロ、無四球完投はリーグ最多の4試合を数え、抜群の制球力が最多勝と最高勝率のタイトルを手繰り寄せた。阪神は左右両輪の新加入が日本一への大きな後押しで、大竹と村上が2四球以上を与えたのはわずか3試合ずつ。救援1位のマルティネスは昨季の1.94、同2位の清水は2.70から大きく改善させた。奪三振率では救援3位に入った清水達也(中日)だが、与四球率5.79はワーストと極端な投球。
 
■K/BB(奪三振÷与四球)
【先発】
1.村上頌樹(阪神) 9.13
2.東克樹(DeNA) 8.87
3.今永昇太(DeNA) 7.25

【救援】
1.マルティネス(中日) 15.50
2.清水昇(ヤクルト) 7.83
3.山﨑康晃(DeNA) 6.75

 スターターのタイトル4つを占めた3人が先発の3傑入り。上質な投球を続けた村上が記録したK/BB9.13は規定投球回到達者で歴代4位のレベル。与四球率と奪三振率でそれぞれ先発ベストのDeNA左腕コンビが2、3位に入った。救援ベストのマルティネスは2位に倍近い大差の頭抜けた数字で、リリーバーでは歴代ベストの防御率0.39と圧巻。防御率4.37と苦しんだ山﨑だが、K/BBは自己ベストで、来季の復調に期待できそう?

■QS率(QS÷先発数)
1.東克樹(DeNA) 87.5%
2.村上頌樹(阪神) 85.7%
2.伊藤将司(阪神) 85.7%

 先発して6イニング以上&自責点3以内に収めた回数を表すQS(クオリティ・スタート)で、東はリーグ最多の21回を記録。7イニング以上&自責点2以下のHQSでもリーグベストの62.5%をマークした。好投が報われなかったのが柳裕也(中日)で、QS率70.8%を記録しながらわずか4勝の不運。一方、大竹耕太郎(阪神)は57.1%だがリーグ2位の12勝と白星に恵まれた。ワーストの大瀬良大地(広島)は47.8%で、特に8月以降はQS1回のみ。