オリックスから戦力外通告を受けていた中川颯投手のDeNA入団が決まり、11月29日に入団会見を行った。中川は桐光学園から立教大を経て2020年ドラフト4位でオリックスに入団。本格派のアンダースローとして期待されたが、怪我に悩まされたこともあり、今季から育成選手に。ファームでは21試合に登板して防御率1.38の好成績を残すも、プロ3年間で一軍での登板はルーキーイヤーの1試合のみにとどまっている。
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オリックスではいわゆる“小木田世代”(山本由伸、山崎颯一郎、宇田川優希、小木田敦也)で、まだ25歳と若いだけに地元球団での再スタートに期待が寄せられている。
会見には常務取締役チーム統括本部の萩原龍大本部長が同席。スーツ姿の中川は晴れやかな表情で会見場に現れると「地元が横浜っていうこともあって、実際にこのベイスターズのユニフォームを着てプレーすることが幼い時からの夢でもあった」と地元球団への入団を素直に喜んでいた。
球団から打診があった時は「心の底から嬉しかった」という中川。数球団が獲得に向けて調査を進めていたようだが、萩原本部長は「プロスカウトの方から例年、戦力外選手の可能性があるリストはもちろん作っているんですけど、その中の非常に上位の方に入っていて。『正直、まさか出てくるとは?』と思っていたんですけれども、出てくるということであれば、急いですぐに獲得しようということになりました」と以前からマークしていたことを明かした。
さらに「変則の投手で、うちにいないタイプの選手であること、それから、先発もリリーフのどちらも経験してるし、我々にとって両方可能性がある。 そして(今季)は二軍の成績も非常に良い状態で来てくれてますので、いろんな期待を背負って獲得しております」と獲得に至った理由を説明した。
ベイスターズの印象について中川は「ちっちゃい頃から思ってたんですけど、とにかくかっこいいなっていう感じで。オリックスの時も、オープン戦で投げさせていただいたりしたんですけど、やっぱり横浜スタジアムの雰囲気とか。 高校時代からもうすごいなじみのある場所で、すごくいい場所だなっていうのはずっと思ってたので、すごく楽しみです。横浜スタジアムは自分の中ではすごい投げやすいマウンドの一つなので、 しっかり力を発揮できるように頑張りたいです」とワクワクした気持ちを抑えられない様子。
チーム内には顔なじみも多いようで「石川達也とか、入江(大生)とか同級生なので、達也は中学の時からずっとライバルチームでしのぎを削ってきたので、連絡しました」。DeNAでのキャッチコピーは「そのまま『ハマのサブマリン』でいいと思います。潜水艦と書いてサブマリン。カッコいいですね」と照れ笑いを浮かべた。
新背番号は53となったが、奇しくもオリックスの背番号53をつけている宜保翔とは公私ともに交流が深い仲。「偶然なんですけど、宜保ちゃんと同じ番号になったのは嬉しい」と語った。同じ“小木田世代”の山本由伸とも、一緒に練習をするほど仲が良かった。中川は「由伸と一緒に練習したりキャッチボールをしたりしたことは財産。お互いに頑張って、いつか僕も同じ舞台に立ちたい」と目を輝かせる。
もちろん、その他の小木田世代の活躍は「刺激にもなりますし負けなくない」という気持ちも強い。萩原本部長からは「先発として期待している」と言われたことも中川のモチベーションをさらに上げている。ルーキー時代の春季キャンプでは、阪急OBで同じサブマリンの山田久志氏から直接指導されており「山田さんのお話は今でも活かしています。山田さんみたいなピッチャーになりたい」と球団は変わっても目指すところは変わらない。
オリックスでの3年間を無駄にすることなく、新天地で夢に向かって歩み出していく。
取材・文・写真●どら増田
【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の“神童”対談を実現させたことも。
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会見には常務取締役チーム統括本部の萩原龍大本部長が同席。スーツ姿の中川は晴れやかな表情で会見場に現れると「地元が横浜っていうこともあって、実際にこのベイスターズのユニフォームを着てプレーすることが幼い時からの夢でもあった」と地元球団への入団を素直に喜んでいた。
球団から打診があった時は「心の底から嬉しかった」という中川。数球団が獲得に向けて調査を進めていたようだが、萩原本部長は「プロスカウトの方から例年、戦力外選手の可能性があるリストはもちろん作っているんですけど、その中の非常に上位の方に入っていて。『正直、まさか出てくるとは?』と思っていたんですけれども、出てくるということであれば、急いですぐに獲得しようということになりました」と以前からマークしていたことを明かした。
さらに「変則の投手で、うちにいないタイプの選手であること、それから、先発もリリーフのどちらも経験してるし、我々にとって両方可能性がある。 そして(今季)は二軍の成績も非常に良い状態で来てくれてますので、いろんな期待を背負って獲得しております」と獲得に至った理由を説明した。
ベイスターズの印象について中川は「ちっちゃい頃から思ってたんですけど、とにかくかっこいいなっていう感じで。オリックスの時も、オープン戦で投げさせていただいたりしたんですけど、やっぱり横浜スタジアムの雰囲気とか。 高校時代からもうすごいなじみのある場所で、すごくいい場所だなっていうのはずっと思ってたので、すごく楽しみです。横浜スタジアムは自分の中ではすごい投げやすいマウンドの一つなので、 しっかり力を発揮できるように頑張りたいです」とワクワクした気持ちを抑えられない様子。
チーム内には顔なじみも多いようで「石川達也とか、入江(大生)とか同級生なので、達也は中学の時からずっとライバルチームでしのぎを削ってきたので、連絡しました」。DeNAでのキャッチコピーは「そのまま『ハマのサブマリン』でいいと思います。潜水艦と書いてサブマリン。カッコいいですね」と照れ笑いを浮かべた。
新背番号は53となったが、奇しくもオリックスの背番号53をつけている宜保翔とは公私ともに交流が深い仲。「偶然なんですけど、宜保ちゃんと同じ番号になったのは嬉しい」と語った。同じ“小木田世代”の山本由伸とも、一緒に練習をするほど仲が良かった。中川は「由伸と一緒に練習したりキャッチボールをしたりしたことは財産。お互いに頑張って、いつか僕も同じ舞台に立ちたい」と目を輝かせる。
もちろん、その他の小木田世代の活躍は「刺激にもなりますし負けなくない」という気持ちも強い。萩原本部長からは「先発として期待している」と言われたことも中川のモチベーションをさらに上げている。ルーキー時代の春季キャンプでは、阪急OBで同じサブマリンの山田久志氏から直接指導されており「山田さんのお話は今でも活かしています。山田さんみたいなピッチャーになりたい」と球団は変わっても目指すところは変わらない。
オリックスでの3年間を無駄にすることなく、新天地で夢に向かって歩み出していく。
取材・文・写真●どら増田
【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の“神童”対談を実現させたことも。
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