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「3割超えは偶然ではない」飛躍的に向上した大谷翔平の打撃力「2021年のMVPシーズンでさえこのレベルに達していなかった」MLB記者が徹底分析

THE DIGEST編集部

2023.11.30

23年にMLBで初の3割超えをはたした大谷。(C)Getty Images

『MLB.com』のデビッド・アドラー記者は11月29日、大谷翔平の打撃の進化に着目した記事を配信。「いまのオオタニはルーキーの頃とは同じではなく、自身の打撃を向上させる方法を見つけ出した。その改善によって、MLB史上初となる2度の満票MVPを獲得する結果に至った」と見解を示している。

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 アドラー記者は、大谷の打撃に関する5つのポイントを紹介している。1つ目は、「球界屈指の速球打者」という点だ。「これはオオタニが成し遂げたなかで、最も劇的な進歩だろう。現在のMLBで投手が決め球に速球を使う場合、ほとんどがフォーシーム、スピード重視の高速速球、高めの速球のいずれかに分類される。そしてオオタニはこの3つの速球すべてに対して、球界屈指の成績を残している」と、次のように過去3年の数字を掲載。「2021年のMVPシーズンでさえ、このレベルには達していなかった」というように、年を追うごとに成績を向上させている。
 
対フォーシーム
2021年:打率.253、長打率.540、OPS.905、三振率36パーセント
2022年:打率.305、長打率.554、OPS.933、三振率23パーセント
2023年:打率.402、長打率.818、OPS 1.298、三振率21パーセント

対高速速球(95マイル=152.9キロ以上)
2021年:打率.164、長打率.400、OPS .703、三振率49パーセント
2022年:打率.257、長打率.459、OPS .780、三振率31パーセント
2023年:打率.350、長打率.567、OPS 1.010、三振率27パーセント

対高めの速球(ゾーン上部の1/3)
2021年:打率.222、長打率.500、OPS .860、三振率37パーセント
2022年:打率.314、長打率.571、OPS 1.006、三振率22パーセント
2023年:打率.385、長打率.738、OPS 1.219、三振率20パーセント

 2つ目の項目には「コンタクトヒットがキャリアベスト」を挙げた。「オオタニは23年に初めて3割打者となり、.304でシーズンを終えた」と打率に注目しながら、「23年のxBA(打率期待値).294はキャリアハイで、21年の.266、22年の.275と、年々数字を上げている。23年の3割超えは偶然ではなく、近いうちに首位打者のタイトルを獲得するかもしれない」と予見した。
 
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「つねにエリート級の打球速度を記録している」