大谷翔平の動向が注目される中、ヤンキースとパドレスの間で超大型トレードが成立した。ヤンキースは主戦投手の一人マイケル・キング、トップ・プロスペクトのドリュー・ソープら4投手+控え捕手のカイル・ヒガシオカを放出し、4年連続シルバースラッガー受賞のホアン・ソト、トレント・グリシャムの両外野手を獲得。今季は地区4位と低迷した“悪の帝国”が再浮上を懸けて大勝負に出た。
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2018年に19歳でデビューしたソトは20年に首位打者を獲得し、今季は自己最多の34本塁打。四球数は3年連続リーグ最多を記録するなど抜群の選球眼を誇ることでも知られる。今季、得点力リーグ11位に終わり、特に左打者の不振に悩んでいたヤンキースにとって、ソトはまさに喉から手が出るほど欲しい人材だった。
一方、パドレスは今季終盤になって財政悪化が表面化。積極補強を推し進めていたピーター・サイドラー・オーナーが亡くなったこともあり、総年俸圧縮のため来季終了後にFAとなるソトを放出せざるを得なくなった。
あと1年でFAになるソト獲得のため、ヤンキースはかなりの代償を支払った。これは再契約に自信を持っている表れとも、15年近く遠ざかっているワールドチャンピオン返り咲きへの強い意思表示と読み取ることもできる。 気になるのは、ゴールドグラブ2度の実績を持つグリシャムもセットでついてきたことだ。ソト獲得の1日前、ヤンキースは宿命のライバルでもあるレッドソックスとのトレードで、WBCメキシコ代表のアレックス・バーデューゴを獲得している。22年のMVPアーロン・ジャッジ、ソト、そしてバーデューゴで外野の3ポジションはすでに埋まった状態。DHにはジャンカルロ・スタントンもおり、現状グリシャムが割って入る余地はない。
そう考えると、グリシャムは今後、新たな補強のためのトレード要員となる可能性が高い。加えてヤンキースは、ソトと並ぶこのオフ最大のターゲットである山本由伸との交渉にも臨む予定。もし山本獲得にも成功すれば、「ストーブリーグの勝ち組」に挙げられるだけでなく、一気にア・リーグ東地区優勝候補に躍り出ることになる。
構成●SLUGGER編集部
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