プロ野球

予想以上の好投を見せた楽天・荘司は「よくできました」。二刀流で話題を呼んだ日本ハムの矢澤は...【ドラフト1位選手通信簿:パ・リーグ】<SLUGGER>

出野哲也

2023.12.11

「素材型」との評価も一部にあった荘司だが、1年目から一軍の戦力として見事な活躍を見せた。写真:産経新聞社

2022年のドラフト1位で指名され、大きな期待とともにプロの世界へ飛び込んだ12人の選手たち。彼らはどのようなルーキーイヤーを過ごしたのか。通信簿形式で振り返ってみよう。今回はセ・リーグの6人を紹介する。

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※通信簿は「よくできました」「まずまずです」「可もなく不可もなく」「がんばりましょう」の4段階

【オリックス】
曽谷龍平(投手)
評価:可もなく不可もなく

白鴎大では大学ナンバーワン左腕との評価だったが、オリックス投手陣が充実していることもあって、1年目から戦力に......との期待はさほど高くはなかった。実際、一軍とファームを行ったり来たりで初勝利を挙げたのはレギュラーシーズン最終日。7度目となる先発登板で、ソフトバンク相手に6回1安打無失点の好投だった。二軍では防御率2.56、84.1イニングでウエスタン・リーグ最多の87三振を奪い、与えた四球は17個のみと見事な成績を収めている。山本由伸と山﨑福也が抜けることもあり、来季は先発ローテーションの一角に加わってほしい。

【ロッテ】
菊地吏玖(投手)
評価:がんばりましょう

専修大では剛球投手として評判をとり、荘司康誠(楽天)のクジに外れたロッテが代わりに指名。キャンプの段階から調整は遅れ気味、4月に二軍で3試合投げた時点で左脇腹を痛めて2ヵ月離脱。結局、一軍登板は8月11日の西武戦が唯一だった。二軍でも14試合で4勝5敗、防御率4.22といまひとつ。52三振を奪って与四球14個、被本塁打も59.2回で4本と内容的には悪くはなかったとはいえ、即戦力候補として入団した以上、厳しい評価をつけざるを得ない。将来的には先発として期待したいが、まずリリーフでの一軍定着を目指すのもありだろう。
【ソフトバンク】
イヒネ・イツア(内野手)
評価:がんばりましょう

誉高では大型遊撃手として注目され、スケールの大きな選手を好むソフトバンクが単独指名した。素材型であるのは初めから分かっていたが、1年目は一軍はおろか二軍でも出場機会ゼロ。右ヒザを痛めたことなどもあって6月末まで実戦に出られず、非公式戦で22試合出場しただけだった。その成績も打率.234、2本塁打で、対戦相手の質なども考慮すれば、同じ高卒1位の浅野翔吾(巨人)、松尾汐恩(DeNA)に相当差をつけられたと言わざるを得ない。来季は少なくともウエスタン・リーグで常時出場するくらいに伸びてこないと、周囲の目も厳しくなるだろう。
 
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矢澤は二刀流としては2年目にして早くも正念場!?