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記念すべきメジャー初安打に日本人初のサイクル、初の“リアル二刀流”...【2018-23大谷翔平BEST GAME10選:前編】<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.12.27

エンジェルスでの6年間で大谷はいくつもの名場面を生み出してきた。(C)Getty Images

エンジェルスでの6年間で大谷はいくつもの名場面を生み出してきた。(C)Getty Images

 エンジェルスでの6年間で、大谷翔平は奇跡のような名場面をいくつも生み出してきた。その中でも、とりわけ印象に残るパフォーマンスを厳選し、時代順に紹介しよう。
※SLUGGER11月号増刊『大谷翔平2023総集編』より転載

【関連記事】大谷翔平がエンジェルスから卒業した日――古巣を“反面教師”にした末の必然のドジャース入団<SLUGGER>

●1
記念すべき初アーチは仲間からの洗礼も話題
(2018年4月3日)

 エンジェルス入団が決まった頃、打者・大谷に対する関係者の評価は大半が厳しいものだった。実際、オープン戦ではまったくヒットが出ずに苦しみ、少なくとも打撃面はマイナーで鍛え直す必要がある、との声も出ていたくらいだった。

 だが、4月1日に、投手としての初登板で初勝利を挙げる(6回3失点)と、2日後の3日にはインディアンス戦で8番・DHとして、打者で2試合目の出場。初回の第1打席、ジョシュ・トムリンが投じた6球目のカーブをすくい上げると「フェンスに当たるかなとは思っていた」当たりが右中間スタンドへ飛び込み、記念すべきメジャー第1号となった。

 エンジェル・スタジアムの大歓声に包まれ、ベースを一周してベンチに戻ってきた大谷に、ナインは全員知らん顔を決め込んだ。いわゆるサイレント・トリートメント、新人へのからかい混じりの祝福法である。「最初、何があったのかなと思った」大谷だが、喜びをこらえきれずにぴょんぴょん跳ねながらイアン・キンズラーに後ろから抱きつくと、それを合図に皆が彼のもとに集まって本当の祝福を送った。

 この日は4打数3安打、さらに4日と6日にも本塁打を放って3試合連発。懐疑論を大谷は早々に実力で封じ込めたのだった。
●2
トミー・ジョン手術発表の日に4安打2本塁打&の大爆発
(2018年9月5日)

 投打二刀流として順調なメジャー1年目を送っていた大谷だったが、6月8日に右ヒジ靱帯の損傷が発覚し、1ヵ月間の故障者リスト入りを余儀なくされる。PRP療法を施しつつ7月にまず打者として復帰、9月2日に3ヵ月ぶりの登板を果たした。だが、3回に突如球速が落ちて降板すると、新たな損傷箇所が確認されたことを受け、5日にはシーズン終了後にトミー・ジョン手術を受けると発表された。少なくとも1年はマウンドに立てなくなったのだ。

 普通の投手であれば、もちろんここでシーズン終了。だが、大谷には、バットというもう一つの武器を披露する機会がまだ残されていた。悲報がもたらされた当日も、レンジャーズ戦に3番・DHとして先発出場すると、四球、シングルヒットに続く5回の第3打席で右翼席へ17号本塁打。第4打席も中前打、そして8回の第5打席でまたも右翼席へ18号弾を放り込んだ。

「あれだけガッカリさせられる知らせを受け取ったその日に、打者として最高の結果を残すメンタルの強さは、彼の優れた人間性を物語っている」(『オレンジ・カウンティ・レジスター』紙のジェフ・フレッチャー記者)。その後も閉幕まで試合に出場し続け、見事新人王を受賞した。

●3 
日本人メジャーリーガー初のサイクルヒット達成
(2019年6月13日)

 19年5月7日、た大谷は、ひと足先に打者として戦列に復帰する。31日からの11試合で5本塁打を放つなど、上り調子でこの日のレイズ戦を迎えた。

 まず第1打席、ライナーで8号本塁打を左中間スタンドに打ち込むと、第2打席は左中間への二塁打。第3打席は右翼線への三塁打でサイクルヒットにリーチをかけた。「三塁打を打った後、みんなから言われたので意識していた」第4打席は7回に巡ってきて、結果は“一発ツモ”。センター前へのシングルヒットで、イチローも松井秀喜も達成できなかった日本人選手初の記録を成し遂げた。
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