エンジェルスでの6年間で、大谷翔平は奇跡のような名場面をいくつも生み出してきた。その中でも、とりわけ印象に残るパフォーマンスを厳選し、時代順に紹介しよう。今回は後編だ。
※SLUGGER11月号増刊『大谷翔平2023総集編』より転載
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●6位
大谷一色に染まった真夏の夢オールスター
(2021年7月13日)
90年近い歴史を誇るMLBのオールスター・ゲームで、単独の選手にこれほどスポットライトが当たった例はかつてなかった。何しろ、大谷を投打両方で出場させるため、ルールまでもが変更されたのだ。
まずファン投票では、DH部門でトップ当選。そして投手としてもメンバーに名を連ね、クアーズ・フィールドの先発マウンドに立つことになった。通常なら降板した時点でそれきりだが「これこそファンが望んでいること。私だって彼の二刀流を見たいと思っている」とケビン・キャッシュ監督(レイズ)がMLBにかけ合い、降板後もDHとして出場できる“大谷ルール”が認められた。
ホームラン・ダービーにも日本人選手として初出場。2度の延長戦の末、ホアン・ソト(当時ナショナルズ)に敗れ1回戦で姿を消したが、500フィートを超える超特大弾を何本もかっ飛ばして観客を沸かせた。本戦でも2打席で内野ゴロ2本と、打撃は不発ながら、投げては1イニングを3者凡退に片付け“勝利投手”に。出場選手はもちろん、ペドロ・マルティネスやデビッド・オティーズらの大物OBからも熱視線を浴びていた主役は「すごい光栄なことですし、本当に楽しかった」と、大忙しの2日間を満喫した。
●7
チームの連敗を14で止める7回1失点&逆転アーチ
(2022年6月9日)
大谷がどれほど活躍を続けていても、エンジェルスの勝利に結びつかない。その傾向が絶望的なまでに顕著になったのが、5月25日から始まり、監督がジョー・マッドンからフィル・ネビンに代わっても止まらなかった連敗地獄であった。8日に14連敗まで伸びた時点で球団ワースト記録となり、主砲のマイク・トラウトも故障で離脱する泣きっ面に蜂状態。終止符を打つには大谷の投打でのフル回転が必要だった。
この日のレッドソックス戦、大谷はシーズン最速の101マイルを計時するなど速球は威力十分。5回表に犠飛で先制点を奪われたものの、その裏すぐ1死一塁から左中間へ逆転の12号2ランを叩き込んだ。「流れを変えるには長打かホームランしかない」との思いで放った殊勲打に、珍しくガッツポーズをしながら、何度も大声を上げてベースを一周。ダグアウトに戻ってハイタッチをしていても笑顔を見せなかったあたりに、いつも以上に気合が入っている様子がうかがえた。
7回まで投げて4安打6奪三振、1失点にとどめる好投で、リリ
ーフもリードを守りきり、5対2でついに連敗ストップ。1ヵ月ぶりの4勝目を挙げた大谷は、監督代行で初勝利を手にしたネビンに記念のボールを手渡した。
●8
3ラン2本&8打点の翌日に13奪三振の快投
(2022年6月22日)
人気コラムニスト/作家のジョー・ポズナンスキーは、野球史における最高の瞬間50件に焦点を当てた最新刊『Why We Love Baseball』で、大谷の活躍を34位にランクしている。
「これまで彼のような選手は存在しなかった」として、同書で取り上げたのは22年6月21日と22日、ロイヤルズ相手の2日間だった。まず21日、大谷は5点を追う6回に豪快な14号3ランを右翼席へ打ち込む。9回には同点に追いつく15号3ラン。さらに11回も犠飛を打ち上げ、自己最多の8打点を叩き出した。
※SLUGGER11月号増刊『大谷翔平2023総集編』より転載
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●6位
大谷一色に染まった真夏の夢オールスター
(2021年7月13日)
90年近い歴史を誇るMLBのオールスター・ゲームで、単独の選手にこれほどスポットライトが当たった例はかつてなかった。何しろ、大谷を投打両方で出場させるため、ルールまでもが変更されたのだ。
まずファン投票では、DH部門でトップ当選。そして投手としてもメンバーに名を連ね、クアーズ・フィールドの先発マウンドに立つことになった。通常なら降板した時点でそれきりだが「これこそファンが望んでいること。私だって彼の二刀流を見たいと思っている」とケビン・キャッシュ監督(レイズ)がMLBにかけ合い、降板後もDHとして出場できる“大谷ルール”が認められた。
ホームラン・ダービーにも日本人選手として初出場。2度の延長戦の末、ホアン・ソト(当時ナショナルズ)に敗れ1回戦で姿を消したが、500フィートを超える超特大弾を何本もかっ飛ばして観客を沸かせた。本戦でも2打席で内野ゴロ2本と、打撃は不発ながら、投げては1イニングを3者凡退に片付け“勝利投手”に。出場選手はもちろん、ペドロ・マルティネスやデビッド・オティーズらの大物OBからも熱視線を浴びていた主役は「すごい光栄なことですし、本当に楽しかった」と、大忙しの2日間を満喫した。
●7
チームの連敗を14で止める7回1失点&逆転アーチ
(2022年6月9日)
大谷がどれほど活躍を続けていても、エンジェルスの勝利に結びつかない。その傾向が絶望的なまでに顕著になったのが、5月25日から始まり、監督がジョー・マッドンからフィル・ネビンに代わっても止まらなかった連敗地獄であった。8日に14連敗まで伸びた時点で球団ワースト記録となり、主砲のマイク・トラウトも故障で離脱する泣きっ面に蜂状態。終止符を打つには大谷の投打でのフル回転が必要だった。
この日のレッドソックス戦、大谷はシーズン最速の101マイルを計時するなど速球は威力十分。5回表に犠飛で先制点を奪われたものの、その裏すぐ1死一塁から左中間へ逆転の12号2ランを叩き込んだ。「流れを変えるには長打かホームランしかない」との思いで放った殊勲打に、珍しくガッツポーズをしながら、何度も大声を上げてベースを一周。ダグアウトに戻ってハイタッチをしていても笑顔を見せなかったあたりに、いつも以上に気合が入っている様子がうかがえた。
7回まで投げて4安打6奪三振、1失点にとどめる好投で、リリ
ーフもリードを守りきり、5対2でついに連敗ストップ。1ヵ月ぶりの4勝目を挙げた大谷は、監督代行で初勝利を手にしたネビンに記念のボールを手渡した。
●8
3ラン2本&8打点の翌日に13奪三振の快投
(2022年6月22日)
人気コラムニスト/作家のジョー・ポズナンスキーは、野球史における最高の瞬間50件に焦点を当てた最新刊『Why We Love Baseball』で、大谷の活躍を34位にランクしている。
「これまで彼のような選手は存在しなかった」として、同書で取り上げたのは22年6月21日と22日、ロイヤルズ相手の2日間だった。まず21日、大谷は5点を追う6回に豪快な14号3ランを右翼席へ打ち込む。9回には同点に追いつく15号3ラン。さらに11回も犠飛を打ち上げ、自己最多の8打点を叩き出した。
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