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ブルージェイズのキアマイアー再契約がベリンジャーの動向に与える影響。総額2億ドル規模の大型契約獲得は難しくなった?<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.12.27

ベリンジャー(右)は守備にも定評があるが、かつての圧倒的な打棒がなければキアマイアー(左)の方がはるかに安上がり。やはり、今季のベリンジャー復活には疑問もあるのだろうか……。(C)Getty Images

 現地12月26日、ブルージェイズは今季4度目のゴールドグラブを獲得した好守のセンター、ケビン・キアマイアーと1年1050万ドルで再契約したことを発表した。一見ささやかに見えるこの動きも、実は今オフのFA市場においては小さくない意味を持っている。なぜなら、「大谷翔平に次ぐNo.2野手」と位置付けられていた2019年MVPのコディ・ベリンジャーの動向に影響を与えそうだからだ。

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 ブルージェイズは直近まで、ベリンジャーを最も熱心に追いかけていたチームの一つだった。キアマイアーやDHのブランドン・ベルトがFAとなったことで補強ポイントとなっていた「好守のセンター」と「左の強打者」に、ベリンジャーはいずれも合致していたからだ。

 同じくベリンジャーの移籍候補に挙げられていたヤンキースがトレードで現役屈指の強打者ホアン・ソトを、ジャイアンツが韓国の至宝イ・ジョンフを獲得したこともあり、争奪戦は再契約を目指すカブスとの一騎打ちの様相を呈していた。
 
 だが、キアマイアーとの再契約したことで、ブルージェイズにとってはベリンジャー補強の優先度は下がったとの見方もある。そうなった場合、ベリンジャーが望む総額2億ドル規模の大型契約獲得は難しくなりそうだ。

 17年に新人王、19年にはMVPを獲得したベリンジャーだが、その後は深刻な不振に苦しみ、昨オフはドジャースをノンテンダーとなった。1年契約でカブスに加入した今季は打率.307&26本塁打と再ブレイクし、カムバック賞を受賞したが、打球速度95マイル以上の強い打球をどれだけ打てたかを示すハードヒット率はMLBワーストクラス。このため、今季の復活は一過性のものではないか、との指摘もある。ブルージェイズも、この点を懸念しているのかもしれない。

 ブルージェイズが撤退した場合、ベリンジャーの選択肢はカブス一択になる。そうなった場合、多くの球団が争奪戦を演じたことで当初の予想を大きく上回る契約を手にした山本由伸とは対照的に、提示条件はなかなか上がらない。ベリンジャーはやむなく条件を下げるのか、それともあくまで希望の条件にこだわるのか……今後の動向に注目が集まる。

構成●SLUGGER編集部

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