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プロ野球

【DeNA】 “ハマのサブマリン”・中川颯が描く地元への恩返しストーリー「良いメンタルで野球ができています」

萩原孝弘

2024.02.23

今季オリックスから加入した中川。先発ローテ入りが期待される。写真:萩原孝弘

今季オリックスから加入した中川。先発ローテ入りが期待される。写真:萩原孝弘

☆愛するベイスターズに入団

「いや、やっぱり気分が上がりますよね」。沖縄の青空の下、“HAYATE”と自らのネームの入ったベイスターズのユニホームに身を包んだ中川颯は、噛みしめるように喜びを表現した。
 
 地元横浜の戸塚出身で、生粋のハマっ子ベイスターズファンは「小学生低学年の頃によくハマスタで応援していましたね。三浦(大輔)さんが投げていて、石井琢朗さんも出ていました。ユニホームも雰囲気も好きでしたね」と幼少期を回想。憧れの存在とともに戦う環境に「いいメンタルで野球ができています」と声を弾ませた。

 地元神奈川・桐光学園高では4番でピッチャーと中心選手として活躍。立教大学に進むと、1年目には全日本大学野球選手権で最優秀投手賞に輝き、通算10勝をマークすると、2020年のドラフト4位指名でオリックス・バファローズに入団した。

 翌年には一軍でデビューを果たし順調なプロ生活をスタートさせたが、22年オフには肩の故障を発症し育成契約に変更。2023年シーズンは肩の状態も上向き、ファームながら21試合登板で、防御率1.38、WHIP0.67と“無双状態”で手応えを掴んだ。

 しかし待っていたのは戦力外の非情宣告。絶望の淵にいた右腕に手を差し伸べたのは、大好きな横浜DeNAベイスターズだった。

 緊張気味だった入団会見でも「心の底から嬉しかったです。ベイスターズのユニホームを着てプレーすることが幼い時からの夢でもあったので、ひとつ夢が叶った感じです」と破顔一笑。実際にキャンプインしてからも「みんな明るくて、すごい馴染みやすい感じで。新しい環境ですけど、溶け込めていると思います。楽しいですよ」と活き活きとトレーニングに打ち込めている。

 第4クールの最終日に行われたピッチャー陣のフリーバッティングでは、大きな構えで左打席に入ると、快音を残しバックスピンの効いた打球が高々と舞い上がり、ついにはスタンドインも達成。「ずっと室内打ってたんですけど、外ですと開放感が違いますよね。だいぶ前に練習試合で1本打ったんですけど、久々でしたね」と満足げな表情で汗を拭い「バントも得意とは言えないので、そんなハードルあげないでほしいですけど。チームのためになるようなバッティングを出来ればいいと思います」と打席にも意欲を見せた。他の打者とは明らかに違うスイングに三浦監督も「バッティング良かったですね。良い振りをしてましたし、楽しみですね」と、高校通算26本塁打の実力に目を丸くするほどのインパクトを残した。
 
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