プロ野球

ヤクルト、オリックスは今後の上がり目に期待できそう。中日はこのまま“指定席”に落ち着くのか【12球団パワーランキング:7~12位】<SLUGGER>

藤原彬

2024.06.21

交流戦で負け越し、気づけば“指定席”の最下位...。立浪ドラゴンズが苦しんでいる。写真:THE DIGEST編集部

 交流戦を終え、21日からリーグ戦が再開するプロ野球。このパワーランキングで、現時点での12球団の立ち位置を再確認してみよう。

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【12位】西武(前回順位12位→)
シーズン:19勝44敗0分(勝率.302)/得失点差-88
交流戦:4勝14敗0分(12位)

 渡辺久信監督代行の下で交流戦をスタートしたが、チーム成績は悪化し続けている。期間中は打線が打率.171と信じられないほどの不振に陥り、4勝14敗と負の連鎖から脱出する糸口さえつかめていない。

 クローズアップされるのは高橋光成の未勝利(7敗)や、源田壮亮のヘッドスライディングも届かず敗れた試合など悲痛なシーンばかりで、このままでは球団歴代ワースト(84敗)更新どころか。1961年の近鉄以来となる100敗もあり得る。個人タイトル争いにからめそうな選手もおらず、出場機会を得ている若手も伸び悩んでいるが、ひとつでも多くの光明を見出したい。

【11位】中日(前回順位9位↓)
シーズン:27勝33敗5分(勝率.450)/得失点差-51
交流戦:7勝11敗0分(10位)

 交流戦18試合でわずか33得点。打線が振るわず、7勝11敗とセ・リーグ最下位に終わった。内外野をこなすカリステがうれしい誤算となっているものの、岡林勇希は不振が長引き、村松開人も打率急降下。何より、新加入の中田翔が故障もあって苦しんでいるのが痛い。また、この状況でビシエドや石川昂弥を二軍に落とした立浪和義監督の起用法にも疑問が残る。
 
 投手陣では高橋宏斗が防御率0.56と快投を続けているが、小笠原慎之介や柳裕也の調子はいまひとつ。強力ブルペン陣にリードを託す展開がなかなか作れていない。気づけば、シーズン通算の得失点差-51はリーグダントツワースト。このまま"指定席"の最下位にとどまるわけにはいかないのだが……。

【10位】ヤクルト(前回順位10位→)
シーズン:27勝33敗4分(勝率.450)/得失点差7
交流戦:9勝7敗2分(4位)

 主軸の村上宗隆とオスナが交流戦で成績を落とし、山田哲人に復調の兆しが見えなくとも、交流戦は9勝7敗2分と何とか勝ち越しに成功した。打者有利の神宮球場も味方につけ、シーズン通算47本塁打と231得点はリーグトップ。対照的に、投手陣はセ・リーグ唯一の防御率3点台(3.52)と踏ん張れていないだけに、最終カードで980日ぶりの白星を挙げた奥川恭伸の一軍復帰は朗報だ。

 借金6を抱えてリーグ最下位に沈んでいるが、得失点差は阪神と同じで、今後は巻き返す可能性は十分。首位・広島までも6.5ゲーム差と決して追いつけない差ではなく、混戦模様のセ・リーグをかき回すダークホースとなるかもしれない。