プロ19年目のベテランで、2010年には本塁打王にも輝いたこともある"浪速の轟砲"T-岡田が19年間のプロ野球生活にピリオドを打つことを決断した。
【写真】球場を盛り上げるオリックス・バファローズ球団公式ダンス&ヴォーカルユニット 「BsGravity」を特集!
「去年、福良(淳一GM)さんと『もう1年させてください』っていう話をさせてもらって、本当に今年1年、結果が出なかったらユニフォームを脱ごうっていう思いを持って臨んだシーズンでした」
その強い思いが実り、開幕一軍入りを果たしたものの、3試合の出場で5打数0安打。岡田の代名詞でもある本塁打は昨年に続いて0に終わり、ファームでも打率.123(81-10)、本塁打1本と、復調までかなり苦しんだ。
8月上旬、ファームで「自分のイメージと打球の感じが合っていない時があるんで、身体の動きが思い通りになってないかもしれない」口にしていた岡田。引退を決断したのは「8月中旬過ぎぐらい」というから、その直後のことだったことになる。
引退の理由については「やっぱ結果の世界なんで、結果が出なかったら辞める。 それだけです」と言い切っていたが、表情は晴れやか。気持ちは「スッキリしている」という。「T-岡田」の名付け親であり、師でもあった阪神の岡田彰布監督にも電話で報告したそうで「『お疲れさま、 よう頑張ったな』って声をかけていただきました。(オリックスの)監督されてる時、そんなにしゃべったことがないので、そう言ってもらえるだけで、19年間しんどいこともすごい多かったですけど、ちょっと報われた感じがしました」
怪我をしていた時、代打に送り出して「走らなくていいの打ってこい」(結果は満塁ホームラン)、「お仕置きの4番よ」などなど、独特の言い回しを使いながら若きスラッガーを育てた岡田監督。T-岡田が本塁打王になったのは、岡田監督就任1年目のことだった。
その10年9月に西武戦でグラマンから打った劇的な満塁弾、14年のCSで放った一発など、印象に残る場面で数々の劇的なホームランを打ってきた。本人が挙げたのは21年9月30日、ZOZOマリンでのロッテ戦で守護神・益田直也から放った逆転弾。「初めて優勝できましたし、僕自身も少しはチームの力になれていたのかなという思いもありますので。そういう中での1本でしたので、印象深いですね」
このホームランは、BS12の副音声で濱野圭司アナウンサーが「あいやほへー!」と絶叫したことでファンの間からは"あいやほへー弾"の名で定着としているが、濱野アナによると当時はマスクを着用しての実況だったため「大逆転ー!」が「あいやほへー」に聞こえてしまったという。大のオリ党で、岡田のファンでもある"K-岡田"ことますだおかだの岡田圭右もベストシーンとしている。
低迷期から黄金時代までずっとチームの中心にいたT-岡田について中嶋聡監督は「もう、お疲れさんしかないですよね。やりきった感はあるでしょうし。優勝できたというのは非常に大きい財産だなと思いますし、できないまま終わっていく人もいるので。中心的な存在でもありましたし」と労った。さらに岡田のキャラクターについて「逆に一緒にやってからですね、本当に優しい人なんだなと思いました。敵の時は一発の怖さがずっとありましたし。勝ちたいという気持ちを強く持ってる選手でした」と語った。
来季以降のことは未定だが、中嶋監督は「どんな形にせよ、野球に携わると思うんですよね。それは来年なのかもしれないし、いつかは分からないけど、そういう点ではこれから勉強しなきゃいけないことがいっぱいあると思うので、そこは貪欲に頑張ってほしい」とエールを贈った。
岡田は「ほんとに同い年のね、安達(了一)選手がいたら心強かったです。 一緒にね、しんどいことも乗り越えてきましたし、3連覇して喜び合えたし、本当にいい仲間。持病があるんで、それだけは悪くならないように気を付けてもらって、何とかチームの力になってもらいたい」と盟友について話していたが、岡田の引退会見の翌日に安達も引退を発表。オリックスを支え続けたベテラン2人が一緒にプロの舞台を"卒業"していく。
文●THE DIGEST取材班
【関連記事】オリックス外国人投手セーブ記録更新のマチャドは3連投も直訴する"男気助っ人"「これからも試合を締めくくっていきたい」【オリ熱コラム2024】
【関連記事】オリックス期待の大砲候補・来田涼斗が話題のMrs. GREEN APPLE『コロンブス』使用に込めた思い【オリ熱コラム2024】
【写真】球場を盛り上げるオリックス・バファローズ球団公式ダンス&ヴォーカルユニット 「BsGravity」を特集!
「去年、福良(淳一GM)さんと『もう1年させてください』っていう話をさせてもらって、本当に今年1年、結果が出なかったらユニフォームを脱ごうっていう思いを持って臨んだシーズンでした」
その強い思いが実り、開幕一軍入りを果たしたものの、3試合の出場で5打数0安打。岡田の代名詞でもある本塁打は昨年に続いて0に終わり、ファームでも打率.123(81-10)、本塁打1本と、復調までかなり苦しんだ。
8月上旬、ファームで「自分のイメージと打球の感じが合っていない時があるんで、身体の動きが思い通りになってないかもしれない」口にしていた岡田。引退を決断したのは「8月中旬過ぎぐらい」というから、その直後のことだったことになる。
引退の理由については「やっぱ結果の世界なんで、結果が出なかったら辞める。 それだけです」と言い切っていたが、表情は晴れやか。気持ちは「スッキリしている」という。「T-岡田」の名付け親であり、師でもあった阪神の岡田彰布監督にも電話で報告したそうで「『お疲れさま、 よう頑張ったな』って声をかけていただきました。(オリックスの)監督されてる時、そんなにしゃべったことがないので、そう言ってもらえるだけで、19年間しんどいこともすごい多かったですけど、ちょっと報われた感じがしました」
怪我をしていた時、代打に送り出して「走らなくていいの打ってこい」(結果は満塁ホームラン)、「お仕置きの4番よ」などなど、独特の言い回しを使いながら若きスラッガーを育てた岡田監督。T-岡田が本塁打王になったのは、岡田監督就任1年目のことだった。
その10年9月に西武戦でグラマンから打った劇的な満塁弾、14年のCSで放った一発など、印象に残る場面で数々の劇的なホームランを打ってきた。本人が挙げたのは21年9月30日、ZOZOマリンでのロッテ戦で守護神・益田直也から放った逆転弾。「初めて優勝できましたし、僕自身も少しはチームの力になれていたのかなという思いもありますので。そういう中での1本でしたので、印象深いですね」
このホームランは、BS12の副音声で濱野圭司アナウンサーが「あいやほへー!」と絶叫したことでファンの間からは"あいやほへー弾"の名で定着としているが、濱野アナによると当時はマスクを着用しての実況だったため「大逆転ー!」が「あいやほへー」に聞こえてしまったという。大のオリ党で、岡田のファンでもある"K-岡田"ことますだおかだの岡田圭右もベストシーンとしている。
低迷期から黄金時代までずっとチームの中心にいたT-岡田について中嶋聡監督は「もう、お疲れさんしかないですよね。やりきった感はあるでしょうし。優勝できたというのは非常に大きい財産だなと思いますし、できないまま終わっていく人もいるので。中心的な存在でもありましたし」と労った。さらに岡田のキャラクターについて「逆に一緒にやってからですね、本当に優しい人なんだなと思いました。敵の時は一発の怖さがずっとありましたし。勝ちたいという気持ちを強く持ってる選手でした」と語った。
来季以降のことは未定だが、中嶋監督は「どんな形にせよ、野球に携わると思うんですよね。それは来年なのかもしれないし、いつかは分からないけど、そういう点ではこれから勉強しなきゃいけないことがいっぱいあると思うので、そこは貪欲に頑張ってほしい」とエールを贈った。
岡田は「ほんとに同い年のね、安達(了一)選手がいたら心強かったです。 一緒にね、しんどいことも乗り越えてきましたし、3連覇して喜び合えたし、本当にいい仲間。持病があるんで、それだけは悪くならないように気を付けてもらって、何とかチームの力になってもらいたい」と盟友について話していたが、岡田の引退会見の翌日に安達も引退を発表。オリックスを支え続けたベテラン2人が一緒にプロの舞台を"卒業"していく。
文●THE DIGEST取材班
【関連記事】オリックス外国人投手セーブ記録更新のマチャドは3連投も直訴する"男気助っ人"「これからも試合を締めくくっていきたい」【オリ熱コラム2024】
【関連記事】オリックス期待の大砲候補・来田涼斗が話題のMrs. GREEN APPLE『コロンブス』使用に込めた思い【オリ熱コラム2024】