今永昇太(カブス)のメジャーリーグ移籍1年目を締めくくる、今季最終登板は実現しなかった。
【動画】【動画】シーズン最終登板でまた快投! 今永昇太、ナショナルズ戦で今季15勝目をマーク
「僕がどうこう言う問題ではないので、そういう風なチーム方針なんだなという感じ。......もしも明日、30登板目で7イニングを投げたら180イニングに届くので、平均投球回6回ですから、それが達成できれば良かったですけど」
今永が9月29日の日曜日、シーズン最終戦のレッズ戦に登板しないと発表されたのは、実は前日のことだった。当の本人が2日前になっても、「いや、マジで知らされてないんです」と語り、クレイグ・カウンセル監督とトミー・ホットビー投手コーチも異口同音に、「Possible(可能性はある)」などと煙に巻いた理由は、謎のままである。その約1週間前、すでにカブスのポストシーズン進出の可能性がゼロとなり、「投げないだろう」と高を括っていた地元メディアでさえ、少しイラっとするほど意味のない「遅い決断」だった。
何はともあれ、ようやくカウンセル監督が前日になって「怪我をするリスクと見返りを考えた」と話したことで、今永のシーズンは、周りの選手たちより1日早く終わったのである。
「15勝3敗という数字は正直、あまり気にしてないですし、それよりも他のスタッツで良いスタッツもあれば、悪いスタッツもあった。MLBに来る前からK/BB(奪三振と与四球の比)は意識していて、そこはある程度、良い数字が出たと思います。悪い数字は、特にfWAR(打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価した選手のチームの勝利への貢献度を示す指標)の方なんですけど、おそらく、野球にちょっとだけ詳しかったり、精通している人から見れば、僕のこの数字(3.0)って、そんなに良いものではないと捉える方が多分いるんですよ」
正直、驚いた。セイバーメトリクス全盛の時代とは言え、「WAR」について語るのはかなりのマニアか、ファンタジー・ベースボール愛好家ぐらいのものだ。現役の選手が自らそれを口にしたのを初めて聞いたし、「fWAR」と「rWAR」の2種類あるうちの一つをはっきり言うなんて、想定外の出来事だった。 「僕のWARが低い理由はおそらく、被本塁打が多いからなんです。打球が飛んだところが良かったねとか、(打球速度が)100マイルでも正面に飛んだね、とかありましたけど、じゃあ、味方の守備を度外視した時にどうなのか。そういうのを僕はすごく気にしてますし、たとえば(新人王争いの本命でもあるパイレーツの)ポール・スキーンズなんかは、WARが6ぐらいある。僕より投球回が少なくても、彼はチームの勝利に貢献しているんだと考えると、決していい数字が出たとは思ってないです」
だから、と言うわけではないだろうが、The Rookie of the Year=新人王についてはあまり、気にしてない様子だった。
「僕、31歳なんですけど、新人王って言われると22歳とか、23歳とかに戻った気分になれるので、そういう意味では欲しい賞ではありますよね。若返りたいとか、そういう気持ちです。2年目からいきなり大ベテランになりますけど」
今永はそう言って快活に笑った。オールスター・ゲームに選出された時にも感じたが、賞を含む名誉を与えられるかどうかは彼にはコントロールできないし、結果に付随するものだ。本当の意味で彼がキャンプの頃から目指していたのは、一年を通じた活躍とその先にある未来だけだったような気がする。
「前半戦は真っ直ぐ、チェンジアップが良くなかったら、もう試合を作れないような状態があった。後半戦はどっちかが悪くても、どっちも悪くても、何かしらで対応できた。調子が悪いんだろうなと見られても、最低限の最低限は出来るようにはなったかな? という学びはありましたね」
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「僕がどうこう言う問題ではないので、そういう風なチーム方針なんだなという感じ。......もしも明日、30登板目で7イニングを投げたら180イニングに届くので、平均投球回6回ですから、それが達成できれば良かったですけど」
今永が9月29日の日曜日、シーズン最終戦のレッズ戦に登板しないと発表されたのは、実は前日のことだった。当の本人が2日前になっても、「いや、マジで知らされてないんです」と語り、クレイグ・カウンセル監督とトミー・ホットビー投手コーチも異口同音に、「Possible(可能性はある)」などと煙に巻いた理由は、謎のままである。その約1週間前、すでにカブスのポストシーズン進出の可能性がゼロとなり、「投げないだろう」と高を括っていた地元メディアでさえ、少しイラっとするほど意味のない「遅い決断」だった。
何はともあれ、ようやくカウンセル監督が前日になって「怪我をするリスクと見返りを考えた」と話したことで、今永のシーズンは、周りの選手たちより1日早く終わったのである。
「15勝3敗という数字は正直、あまり気にしてないですし、それよりも他のスタッツで良いスタッツもあれば、悪いスタッツもあった。MLBに来る前からK/BB(奪三振と与四球の比)は意識していて、そこはある程度、良い数字が出たと思います。悪い数字は、特にfWAR(打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価した選手のチームの勝利への貢献度を示す指標)の方なんですけど、おそらく、野球にちょっとだけ詳しかったり、精通している人から見れば、僕のこの数字(3.0)って、そんなに良いものではないと捉える方が多分いるんですよ」
正直、驚いた。セイバーメトリクス全盛の時代とは言え、「WAR」について語るのはかなりのマニアか、ファンタジー・ベースボール愛好家ぐらいのものだ。現役の選手が自らそれを口にしたのを初めて聞いたし、「fWAR」と「rWAR」の2種類あるうちの一つをはっきり言うなんて、想定外の出来事だった。 「僕のWARが低い理由はおそらく、被本塁打が多いからなんです。打球が飛んだところが良かったねとか、(打球速度が)100マイルでも正面に飛んだね、とかありましたけど、じゃあ、味方の守備を度外視した時にどうなのか。そういうのを僕はすごく気にしてますし、たとえば(新人王争いの本命でもあるパイレーツの)ポール・スキーンズなんかは、WARが6ぐらいある。僕より投球回が少なくても、彼はチームの勝利に貢献しているんだと考えると、決していい数字が出たとは思ってないです」
だから、と言うわけではないだろうが、The Rookie of the Year=新人王についてはあまり、気にしてない様子だった。
「僕、31歳なんですけど、新人王って言われると22歳とか、23歳とかに戻った気分になれるので、そういう意味では欲しい賞ではありますよね。若返りたいとか、そういう気持ちです。2年目からいきなり大ベテランになりますけど」
今永はそう言って快活に笑った。オールスター・ゲームに選出された時にも感じたが、賞を含む名誉を与えられるかどうかは彼にはコントロールできないし、結果に付随するものだ。本当の意味で彼がキャンプの頃から目指していたのは、一年を通じた活躍とその先にある未来だけだったような気がする。
「前半戦は真っ直ぐ、チェンジアップが良くなかったら、もう試合を作れないような状態があった。後半戦はどっちかが悪くても、どっちも悪くても、何かしらで対応できた。調子が悪いんだろうなと見られても、最低限の最低限は出来るようにはなったかな? という学びはありましたね」
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