現地3月11日、ロサンゼルス・ドジャースの佐々木朗希がクリーブランド・ガーディアンズとのオープン戦に先発登板し、4回42球、被安打1、2奪三振、四死球0、無失点と好投した。
オープン戦初登板となった現地3月4日のシンシナティ・レッズ戦でも3回46球、被安打2、5奪三振、無失点と好投していた佐々木は、3月19日に日本で開催されるシカゴ・カブスとの東京シリーズ第2戦で先発することになった。
飛ぶ鳥を落とす勢いの佐々木について、米メディア『Yahoo Sports』のジャック・ベア記者は、自在に変化するスプリットに注目。「佐々木のスプリットは、すでに球界最高の球のひとつに見える」と驚きを持って報じた。
「十数年前、RA・ディッキーという名の投手が、それまでの球界でほとんど見られなかったナックルを投げていた。そしていま、佐々木がその球をさらに進化させるかもしれない。ディッキーは60~70マイル(約96.6~112.7キロ)台ではなく、80マイル(約128.7キロ)以上のナックルを投げ、しかもストライクを取っていた。メジャー最高のナックルボーラーは、20勝を挙げた2012年にサイ・ヤング賞投手となった」
このように“魔球”を操ったディッキーを引き合いに出したベア記者は、「佐々木はナックルを投げているようで実際は別の球を投げている。それでも、ナックルのように投球ごとに違った変化を生み出しているのだ。通常よりも回転数の少ない球を投げることで、それを実現している」と、大きな落差と自在に曲がり落ちる佐々木のスプリットを説明した。
「世界最高の投球の一つという評判にふさわしい球だ。佐々木はオープン戦最初の登板でスプリットを18回投げて8回スイングさせ、7つの空振りを奪った。2回目の登板では、スプリットを11回投げて4回スイングさせ、3つの空振りを奪っている。計12回のスイングで10回の空振り(空振り率83.3%)は、滑稽なほど圧倒的な数字だ。実際、この球種をどう扱えばよいのか、まだ誰も理解していない。それはMLBのカメラでさえもだ」
というのも、佐々木が登板した2試合とも、スタットキャスト(球速、動き、回転数などを記録する高度な投球追跡システム)がスプリットと他の球種、とくにスライダーをすぐに識別できない場面が何度もあった。
「理論上、どの球がスプリットなのか、極めて遅い回転速度から判断できる。しかし問題なのは、佐々木のスプリットの動きが多様で、速度と動きのプロファイルがスライダー、チェンジアップ、カーブの領域にまで及んでいることだ。『Baseball Savant』(スタットキャストのデータを閲覧できるサイト)は、11日の試合で佐々木が投げたスプリットを別の球種と判断したが、試合中にスプリットに訂正している」
11日のガーディアンズ戦で、ベア記者が特筆した場面があった。3回2死で右打者タイラー・フリーマンに投じた連続スプリットだ。
「最初の球は左方向に8インチ(約20センチ)曲がって落ちて(スライダー領域)空振りを奪い、次はわずか1インチ(約3センチ)縦に落ちて見逃し三振を奪った。さらにひとり前の打者には、右側に8インチ折れて沈むスプリットを投げていた。なんてこった。普通じゃ考えれない。片側に8インチ曲がり落ちた球が、今度は反対方向に8インチも動くなんて。唯一説明できる球種はナックルだが、佐々木はスプリットとして完全にコントロールしている。だからこそ唯一無二の“ユニコーン球”であり、極めて不思議な球と言わざるをえない」
【動画】ガーディアンズのフリーマンに投じた佐々木の“連続スプリット”!
信じられない動きを見せる佐々木のスプリットを解析すると、特徴的なのは平均回転数の少なさだという。
「オープン戦初戦のスプリットの回転数は驚くほど少ない518rpmで、2戦目は575rpmだった。参考までに、24年の全スプリットの平均回転数は1326 rpmで、最低値は577rpm(トロント・ブルージェイズのエマニュエル・ラミレス)だった。一方、マット・ウォルドロンのナックルは、24年平均244rpm。佐々木が投げるスプリットは、MLBの平均的なスプリットよりも回転数はナックルに近い」
ドジャースと契約する前、佐々木の代表的な球種は速球とスプリットの2種類と言われており、スライダーも投げられる投手だと言われていた。しかし、実際の佐々木の投球を見たベア記者は、「言われていた前評判は、佐々木を過小評価するものだった。東京シリーズの第2戦に先発すると発表されたが、佐々木を持ち球の少ない投手と批判するのではなく、90マイル後半(約152~159キロ)の速球を混ぜるナックルボーラーと考えたほうが理に適っているかもしれない。おそらく地球上で最も速い球を投げる投手でもある。まるでディッキーがクレイグ・キンブレルの速球を投げているようだ」
このように佐々木のスプリットを解説してきたベア記者は、「だからこそ、今冬にすべてのチームが佐々木を欲しがった。もし通常のFAが認められていたら、2億ドル(約297億円)以上の契約になっていただろう。佐々木のスプリットはこの世のものではないし、彼には限界はない」と、佐々木を大絶賛した。
構成●THE DIGEST編集部
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オープン戦初登板となった現地3月4日のシンシナティ・レッズ戦でも3回46球、被安打2、5奪三振、無失点と好投していた佐々木は、3月19日に日本で開催されるシカゴ・カブスとの東京シリーズ第2戦で先発することになった。
飛ぶ鳥を落とす勢いの佐々木について、米メディア『Yahoo Sports』のジャック・ベア記者は、自在に変化するスプリットに注目。「佐々木のスプリットは、すでに球界最高の球のひとつに見える」と驚きを持って報じた。
「十数年前、RA・ディッキーという名の投手が、それまでの球界でほとんど見られなかったナックルを投げていた。そしていま、佐々木がその球をさらに進化させるかもしれない。ディッキーは60~70マイル(約96.6~112.7キロ)台ではなく、80マイル(約128.7キロ)以上のナックルを投げ、しかもストライクを取っていた。メジャー最高のナックルボーラーは、20勝を挙げた2012年にサイ・ヤング賞投手となった」
このように“魔球”を操ったディッキーを引き合いに出したベア記者は、「佐々木はナックルを投げているようで実際は別の球を投げている。それでも、ナックルのように投球ごとに違った変化を生み出しているのだ。通常よりも回転数の少ない球を投げることで、それを実現している」と、大きな落差と自在に曲がり落ちる佐々木のスプリットを説明した。
「世界最高の投球の一つという評判にふさわしい球だ。佐々木はオープン戦最初の登板でスプリットを18回投げて8回スイングさせ、7つの空振りを奪った。2回目の登板では、スプリットを11回投げて4回スイングさせ、3つの空振りを奪っている。計12回のスイングで10回の空振り(空振り率83.3%)は、滑稽なほど圧倒的な数字だ。実際、この球種をどう扱えばよいのか、まだ誰も理解していない。それはMLBのカメラでさえもだ」
というのも、佐々木が登板した2試合とも、スタットキャスト(球速、動き、回転数などを記録する高度な投球追跡システム)がスプリットと他の球種、とくにスライダーをすぐに識別できない場面が何度もあった。
「理論上、どの球がスプリットなのか、極めて遅い回転速度から判断できる。しかし問題なのは、佐々木のスプリットの動きが多様で、速度と動きのプロファイルがスライダー、チェンジアップ、カーブの領域にまで及んでいることだ。『Baseball Savant』(スタットキャストのデータを閲覧できるサイト)は、11日の試合で佐々木が投げたスプリットを別の球種と判断したが、試合中にスプリットに訂正している」
11日のガーディアンズ戦で、ベア記者が特筆した場面があった。3回2死で右打者タイラー・フリーマンに投じた連続スプリットだ。
「最初の球は左方向に8インチ(約20センチ)曲がって落ちて(スライダー領域)空振りを奪い、次はわずか1インチ(約3センチ)縦に落ちて見逃し三振を奪った。さらにひとり前の打者には、右側に8インチ折れて沈むスプリットを投げていた。なんてこった。普通じゃ考えれない。片側に8インチ曲がり落ちた球が、今度は反対方向に8インチも動くなんて。唯一説明できる球種はナックルだが、佐々木はスプリットとして完全にコントロールしている。だからこそ唯一無二の“ユニコーン球”であり、極めて不思議な球と言わざるをえない」
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信じられない動きを見せる佐々木のスプリットを解析すると、特徴的なのは平均回転数の少なさだという。
「オープン戦初戦のスプリットの回転数は驚くほど少ない518rpmで、2戦目は575rpmだった。参考までに、24年の全スプリットの平均回転数は1326 rpmで、最低値は577rpm(トロント・ブルージェイズのエマニュエル・ラミレス)だった。一方、マット・ウォルドロンのナックルは、24年平均244rpm。佐々木が投げるスプリットは、MLBの平均的なスプリットよりも回転数はナックルに近い」
ドジャースと契約する前、佐々木の代表的な球種は速球とスプリットの2種類と言われており、スライダーも投げられる投手だと言われていた。しかし、実際の佐々木の投球を見たベア記者は、「言われていた前評判は、佐々木を過小評価するものだった。東京シリーズの第2戦に先発すると発表されたが、佐々木を持ち球の少ない投手と批判するのではなく、90マイル後半(約152~159キロ)の速球を混ぜるナックルボーラーと考えたほうが理に適っているかもしれない。おそらく地球上で最も速い球を投げる投手でもある。まるでディッキーがクレイグ・キンブレルの速球を投げているようだ」
このように佐々木のスプリットを解説してきたベア記者は、「だからこそ、今冬にすべてのチームが佐々木を欲しがった。もし通常のFAが認められていたら、2億ドル(約297億円)以上の契約になっていただろう。佐々木のスプリットはこの世のものではないし、彼には限界はない」と、佐々木を大絶賛した。
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