2回戦最後の3試合が行われ、ベスト8が出揃った大会8日目。智弁和歌山高、聖光学院高、浦和実高の3校が勝ち上がったが、今日のMVPとして選出したいのは敗退したエナジックスポーツ高のイーマン琉海(3年・二塁手)だ。
エナジックスポーツ高は創部3年目で甲子園初出場。ベンチからの指示ではなく選手たち自らが考えてプレーする“ノーサイン野球”でも話題となった。イーマンはそんなチームの中心と言える選手で、1回戦の至学館高戦では4安打の活躍でチームを初勝利に導いた。この日も2試合連続の4安打を放ち、今大会の通算成績は10打数8安打、打率8割という驚異的な数字となった。
身長は164㎝と小柄だが、しっかりバットを立てて構え、ゆったりとタイミングをとり、バッティングは決して小さくない。第2打席には142キロのストレートを捉えてレフト線に運ぶなど、速いボールにも振り負けないパンチ力も備えている。
また第3打席にはセーフティバントを決めるなど小技でも相手を揺さぶり、その脚力はプロでも上位に入るレベルだ。1回戦では2度盗塁を仕掛けていずれも刺されたが、この日は厳しいマークの中でも2盗塁を決めた。7回に三塁走者としてダブルスチールで本塁を狙ってアウトになったのは少しもったいなかったものの、積極的に次の塁を狙う姿勢も素晴らしいものがあった。チームに勢いを与えるという意味では理想的なリードオフマンであり、今後の成長も楽しみな選手である。
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
エナジックスポーツ高は創部3年目で甲子園初出場。ベンチからの指示ではなく選手たち自らが考えてプレーする“ノーサイン野球”でも話題となった。イーマンはそんなチームの中心と言える選手で、1回戦の至学館高戦では4安打の活躍でチームを初勝利に導いた。この日も2試合連続の4安打を放ち、今大会の通算成績は10打数8安打、打率8割という驚異的な数字となった。
身長は164㎝と小柄だが、しっかりバットを立てて構え、ゆったりとタイミングをとり、バッティングは決して小さくない。第2打席には142キロのストレートを捉えてレフト線に運ぶなど、速いボールにも振り負けないパンチ力も備えている。
また第3打席にはセーフティバントを決めるなど小技でも相手を揺さぶり、その脚力はプロでも上位に入るレベルだ。1回戦では2度盗塁を仕掛けていずれも刺されたが、この日は厳しいマークの中でも2盗塁を決めた。7回に三塁走者としてダブルスチールで本塁を狙ってアウトになったのは少しもったいなかったものの、積極的に次の塁を狙う姿勢も素晴らしいものがあった。チームに勢いを与えるという意味では理想的なリードオフマンであり、今後の成長も楽しみな選手である。
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。