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「お互いに切磋琢磨しているんだ」J-RODとアダメス、私生活では親友同士の2人のスター選手が好プレーの応酬!<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2025.04.07

J-ROD(左)とアダメス(右)はどちらもドミニカ共和国出身。23年のWBCではチームメイトとしてともに戦った。(C)Getty Images

 真剣勝負の中にも、選手たちがプレーを楽しんでいる姿が垣間見えるのがメジャーリーグの魅力。週末に行われたジャイアンツ対マリナーズの3連戦では、ドミニカ共和国出身の2人のスター選手が火花を散らした。

 主役となったのは、フリオ・ロドリゲス(マリナーズ)とウィリー・アダメス(ジャイアンツ)。プライベートでも仲が良い2人だが、フィールドでは互いの意地とプライドを懸けた"好勝負"を展開した。

 まずは4日の試合。初回に本塁打を放って気を良くしていたJ-RODは
5回にも痛烈なライナーを放つが、アダメスがジャンプ一番好捕。J-RODは苦笑いを浮かべながらアダメスへヘルメットを放り投げる仕草を見せた。

 すると6回、さっきのリベンジとばかりにJ-RODはまたもショートへ打球初速111マイル(約178キロ)の痛烈な当たり。今度は逆シングルで捕球しようとしたアダメスのグラブを弾き飛ばして内野安打となり、J-RODはしてやったりとばかりにガッツポーズを見せた。
 だが、その日の主役はあくまでもアダメスだった。1点をリードされた延長11回裏、2死二、三塁の場面でライトへ劇的な逆転サヨナラ安打。球団史上最高額の7年1億8200万ドルで加入したスター選手がホーム開幕戦で"主役"になるという、サンフランシスコのファンにとっては最高の幕切れを迎えた。

 5日の試合ではJ-RODが魅せた。5回、アダメスがサンターのやや左中間寄りへヒットを放つと、一気に二塁を陥れようとした。だが、J-RODは慌てることなく二塁へ目の覚めるような送球。悠々アウトとなってしまったアダメスが疲労困憊とばかりにそのまま二塁ベース上で座り込むと、後ろから駆け寄ったJ-RODはアダメスのヘルメットをポンと叩いて笑顔でダグアウトへ戻っていった。

 2人のバトルは3連戦最終戦の6日も続いた。5回、J-RODのセンター前に抜けようかという当たりを、アダメスが左手を目いっぱい伸ばしてキャッチすると、そのまま反転しながら一塁へ送球してアウト。アダメスはベンチに戻ったJ-RODへ、またもしてやったりの表情を見せつけると、J-RODも「もういい加減にしろ」と言わんばかりに手を振って応えた。

「お互いに切磋琢磨しているんだ」とはアダメスの弁。「フィールド外では友達だけど、試合になったら相手をやっつけてやろうと思っている。友好的な形でね」。好プレーを見せた時の笑顔、ヒットをもぎ取られた時の悔しそうな顔。まるで野球少年に戻ったかのような2人の表情が、充実感を物語っていた。

構成●SLUGGER編集部

 
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【動画】アダメス、J-RODの痛烈な当たりをジャンプ一番つかんでしてやったりの表情