現地4月20日にマーリンズのプロスペクト捕手、オーガスティン・ラミレスが初のメジャー昇格した際のエピソードが話題を集めている。
3Aの監督から「家に電話をするように」と告げられたラミレス。「そろそろ(昇格の)予感があった」というラミレスはその通り自宅に電話をすると、2歳の愛娘から「メジャー行きが決まった」と知らされた。翌日のレッズ戦でメジャーデビューを果たしたラミレスは先発マスクをかぶってマルチ安打を放っただけでなく、先発のマックス・マイヤーを14奪三振の好投に導き、「信じられない。いろいろな感情が込み上げてきた。チームが勝てたのが特にうれしい」と興奮気味に語った。
ラミレス以外にも、念願のメジャー昇格を告げられた際の感動エピソードは事欠かない。今回はその中から4つの逸話を紹介しよう。
▼キャム・スミス(2025年アストロズ)
開幕直前の3月x日、アストロズのクラブハウスに一人の女性が現れた。その瞬間、スミスは思わず泣き崩れた。女性はスミスの母親で、その姿を見た彼は自分がメジャーに昇格することを悟ったからだ。母をクラブハウスに招いたのはジョー・エスパーダ監督の粋な計らい。「昇格が決まったら、真っ先に家族に伝えたいはずだ」との配慮だった。
シングルマザーとして苦労しながらもスミスを育て、「メジャーリーガーになる」という夢をずっと応援し続けてくれた母の登場に、本人も感極まっていた。昨オフにカイル・タッカーとのトレードでアストロズへ加入したばかりだったスミスは、タッカーが昨季までつけていた背番号「11」を背負い、開幕戦に「7番・右翼」でメジャーデビューを果たした。
▼ドリュー・マッジ(2023年パイレーツ)
23年4月x日、パイレーツ傘下のあるマイナーリーガーがメジャー行きを告げられる動画が話題を呼んだ。思わず放送禁止用語を連発して喜ぶ本人に、チームメイトが大きな拍手を送る。一見よくある光景に見えるが、重要なのはその男、ドリュー・マッジがすでに33歳だったことだ。10年ドラフト15巡目でパイレーツに入団した後、延べ8球団を渡り歩いて苦節13年。待ちわびたメジャーへの切符をついに手にした。
「13年も待ったんだ。準備はOKだよ」と待望していたデビューは4月26日、本拠地PNCパークでのドジャース戦。代打で登場したマッジを、ピッツバーグのファンはスタンディング・オベーションで祝福した。
▼アーロン・バレット(2019年ナショナルズ)
選手だけでなく、送り出す方の監督が泣いてしまうケースがある。メジャー初昇格ではなかったが、19年9月のバレットのケースがまさにそうだった。15年に右肘と左足首の手術、翌年には肘を骨折してさらにメスを入れるなど大きな故障が続き、4年がかりでようやくメジャー復帰。2Aのマシュー・リクロイ監督は「君の監督だったことをとても誇りに思う」と言葉を詰まらせながら昇格を告げ、バレット本人も泣き崩れた。9月7日のブレーブス戦でメジャーのマウンドに戻ったバレットは1回無失点に抑えると、ベンチで再び涙を流して感激に浸った。
▼ガナー・ヘンダーソン(2022年オリオールズ)
スミスもそうだったが、注目プロスペクトのメジャーデビューは今やファンの関心事とあって、昇格を告げる方もさまざまなサプライズをこらしてその様子をSNSなどで公開する。22年9月、オリオールズ傘下3Aのバック・ブリットン監督がヘンダーソンに仕掛けた演出がなかなか面白かった。
ブリットン監督は当初「明日から二塁をやってもらう」とヘンダーソンに通告。遊撃が本職のヘンダーソンは「分かりました」とは言いながらもどこか不満顔だ。そこでブリットン監督が「ただ、プランは変わるかもしれない。そうだな……たとえばメジャーに昇格してデビューするなんてのはどうだ?」といたずらっぽく告げると、への字に曲がっていたヘンダーソンの唇が途端に吊り上がって満面の笑みへ。翌年は新人王、昨季はMVP投票4位とスターダムにのし上がったヘンダーソンの記念すべき第一歩だった。
構成●SLUGGER編集部
3Aの監督から「家に電話をするように」と告げられたラミレス。「そろそろ(昇格の)予感があった」というラミレスはその通り自宅に電話をすると、2歳の愛娘から「メジャー行きが決まった」と知らされた。翌日のレッズ戦でメジャーデビューを果たしたラミレスは先発マスクをかぶってマルチ安打を放っただけでなく、先発のマックス・マイヤーを14奪三振の好投に導き、「信じられない。いろいろな感情が込み上げてきた。チームが勝てたのが特にうれしい」と興奮気味に語った。
ラミレス以外にも、念願のメジャー昇格を告げられた際の感動エピソードは事欠かない。今回はその中から4つの逸話を紹介しよう。
▼キャム・スミス(2025年アストロズ)
開幕直前の3月x日、アストロズのクラブハウスに一人の女性が現れた。その瞬間、スミスは思わず泣き崩れた。女性はスミスの母親で、その姿を見た彼は自分がメジャーに昇格することを悟ったからだ。母をクラブハウスに招いたのはジョー・エスパーダ監督の粋な計らい。「昇格が決まったら、真っ先に家族に伝えたいはずだ」との配慮だった。
シングルマザーとして苦労しながらもスミスを育て、「メジャーリーガーになる」という夢をずっと応援し続けてくれた母の登場に、本人も感極まっていた。昨オフにカイル・タッカーとのトレードでアストロズへ加入したばかりだったスミスは、タッカーが昨季までつけていた背番号「11」を背負い、開幕戦に「7番・右翼」でメジャーデビューを果たした。
▼ドリュー・マッジ(2023年パイレーツ)
23年4月x日、パイレーツ傘下のあるマイナーリーガーがメジャー行きを告げられる動画が話題を呼んだ。思わず放送禁止用語を連発して喜ぶ本人に、チームメイトが大きな拍手を送る。一見よくある光景に見えるが、重要なのはその男、ドリュー・マッジがすでに33歳だったことだ。10年ドラフト15巡目でパイレーツに入団した後、延べ8球団を渡り歩いて苦節13年。待ちわびたメジャーへの切符をついに手にした。
「13年も待ったんだ。準備はOKだよ」と待望していたデビューは4月26日、本拠地PNCパークでのドジャース戦。代打で登場したマッジを、ピッツバーグのファンはスタンディング・オベーションで祝福した。
▼アーロン・バレット(2019年ナショナルズ)
選手だけでなく、送り出す方の監督が泣いてしまうケースがある。メジャー初昇格ではなかったが、19年9月のバレットのケースがまさにそうだった。15年に右肘と左足首の手術、翌年には肘を骨折してさらにメスを入れるなど大きな故障が続き、4年がかりでようやくメジャー復帰。2Aのマシュー・リクロイ監督は「君の監督だったことをとても誇りに思う」と言葉を詰まらせながら昇格を告げ、バレット本人も泣き崩れた。9月7日のブレーブス戦でメジャーのマウンドに戻ったバレットは1回無失点に抑えると、ベンチで再び涙を流して感激に浸った。
▼ガナー・ヘンダーソン(2022年オリオールズ)
スミスもそうだったが、注目プロスペクトのメジャーデビューは今やファンの関心事とあって、昇格を告げる方もさまざまなサプライズをこらしてその様子をSNSなどで公開する。22年9月、オリオールズ傘下3Aのバック・ブリットン監督がヘンダーソンに仕掛けた演出がなかなか面白かった。
ブリットン監督は当初「明日から二塁をやってもらう」とヘンダーソンに通告。遊撃が本職のヘンダーソンは「分かりました」とは言いながらもどこか不満顔だ。そこでブリットン監督が「ただ、プランは変わるかもしれない。そうだな……たとえばメジャーに昇格してデビューするなんてのはどうだ?」といたずらっぽく告げると、への字に曲がっていたヘンダーソンの唇が途端に吊り上がって満面の笑みへ。翌年は新人王、昨季はMVP投票4位とスターダムにのし上がったヘンダーソンの記念すべき第一歩だった。
構成●SLUGGER編集部
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