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プロ野球

【DeNA】偶然にも合致した今永昇太と東克樹の技術を超えた共通項。冷静なメンタルと勝利への想い

萩原孝弘

2025.05.05

DeNAの新旧エース、東と今永。写真:萩原孝弘

DeNAの新旧エース、東と今永。写真:萩原孝弘

☆勝利の確率を上げるためのメンタル

「1年間ローテーションを任せられる投手」。
 三浦監督は開幕投手についてこう定義づける。昨年のポストシーズンで快投を披露したアンドレ・ジャクソンとアンソニー・ケイ、そして帰ってきた超大物のトレバー・バウアーと、開幕投手候補は数多く存在したが指揮官は東克樹にその座を託した。

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 それはすなわち「チームに一人しかいない」と監督が常日頃から口にする“エース”と同意義。23年に16勝、昨年は13勝と文句のつけようのない活躍を見せ、開幕投手も2年連続で担うことで周囲はエースとの認識だが、東本人は「3年連続活躍してこそエース」との姿勢を崩さない。

 だがエースとしての責任感は言葉の端々に感じられる。

 4月25日にはカードのアタマを任され、勝利を掴んだ。チームは連敗中だったが「いつも通り、自分のピッチングをしようとしていました。意識して変に緊張して浮き足立ったりしないように、自分を忘れないようにしようと心がけてマウンドに上がりました」とリラックスしてゲームに入り込むことを胸に刻み登板。

 先制点を与えてしまったことには反省したが「完璧を求めなすぎないようにしていました。取られてもまだ1点。凌いでいければいつか打線がひっくり返せてくれるとすぐに切り替えました」と試合中に冷静な対応を心がけた。ホームランを打たれた選手との再戦では、無理に勝負には行かず「フォアボールを嫌がってボールが中に入って一発打たれるよりは全然良いので。あの場面は今日の僕自身で良かったところですね」と結果的には最善の策だったと自己評価した。

 そこには「無理して勝負に行かない。しっかりと冷静になって、試合の状況を判断しながら投球する。三振を取ってやろう、打たれたから抑え込んでやろうとか、そういうことではなくて、先発として試合を壊さないことが大事なので」とピッチャーとしてのエゴとも言える部分を捨て、あくまでもチームの勝利に向かっていく、大黒柱としての自覚が伝わってきた。
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