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「三振を奪うほどの投手ではないが…」35歳・菅野智之の確かな“安定感”に米注目。見過ごせない一流の投手能力「1.01」

THE DIGEST編集部

2025.05.11

エンジェルス戦に先発した菅野は8回途中1失点の好投。今季4勝目を飾った。(C) Getty Images

 オールドルーキーが好調だ。

 現地5月9日、ボルティモア・オリオールズの菅野智之が、ロサンゼルス・エンジェルス戦に先発し、自己最長となる7回1/3を投げて3安打1失点。無四球5奪三振の好投で今季4勝目を挙げた。防御率2.72が示すように安定感抜群の右腕の評価が、米国内でじわじわ上がっている。
【動画】菅野智之が今季4勝目!8回途中3安打1失点の好投

 オリオールズ打線が2回までに3得点を挙げると、この日の菅野にとっては十分なリードだった。3回1死までパーフェクト投球で、5回2死まで二塁を踏ませぬ好投でゼロを積み上げる。7回は先頭打者に右翼線三塁打を許し、次打者の遊ゴロで1点を失ったものの、この回を切り抜けた。

 メジャー初となる8回のマウンドへ上がった菅野は1アウトを奪ったところで降板。連敗中だったチームを救う35歳の快投はベンチの雰囲気を明るくした。
 
 メジャー1年目とは思えぬ安定感に地元メディアは手放しで称賛している。日刊紙『The Baltimore Banner』は「シーズン序盤の不調の中、オリオールズはスガノの力強いプレーを何としても必要としている」と紹介。「他の選手がもっと活躍する必要があるが、35歳の日本人選手の経験は、不安定な先発ローテーションの中で堅実であり、最近は何か特別なものを感じさせる。彼は今夜、エンジェルス戦で再び素晴らしい投球をみせた」と賛辞を惜しまなかった。

 菅野はここまで8試合の先発で46回1/3を投げて4勝2敗、防御率2.72(自責14)、26奪三振。奪三振率は「5.05」とそれほど高くないが、与四球は「8」と四球の少なさは際立っている。ちなみに投手の能力を測る指標として用いられるK/BB(与四球1個あたりの奪三振数)は「3.25」、1イニングあたりの与四球と被安打数の数値(WHIP)は「1.01」と安定感ある優れた投手だと評価されている。

 米4大スポーツを中心に配信している『Fantasysp』によれば、「今のところ、スガノは三振を奪うほどの投手ではないが、低い防御率とイニングを消化する能力は、メジャーリーグの中で指折りであり、これは確かな武器となっている。三振数が少ないからといって彼を軽視してはいけない」と日本人右腕を高く評価。洗練された投球術に注目している。

 35歳で挑戦した憧れの舞台でベテラン右腕が躍動している。

構成●THE DIGEST編集部

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