まさに急転直下、青天の霹靂だったラファエル・デバースのトレード。シルバースラッガー3度の生え抜きスラッガーをジャイアンツへ放出したレッドソックスの決断をめぐり、球界内は賛否両論が渦巻いている。
【動画】デバース、新天地ジャイアンツでのデビュー戦でいきなり会心のタイムリー二塁打を放つ!
デバースと同じドミニカ共和国出身でもある3人のレッドソックスのレジェンドも意見が割れているようだ。
そもそも、放出の発端となったのは開幕前の三塁からDHへのコンバート。5月にも一塁転向を打診されたデバースはこれを拒否し、球団との関係に軋轢が生じていた。
これを受け、04年と07年にレッドソックス世界一に貢献したメジャー通算555本塁打のマニー・ラミレスは「球団が彼(デバース)を尊重していなかった」と同郷の後輩を擁護。「キャンプで一方的に転向させるのではなく、しっかり話し合うべきだった」と語った。また、「ヤンキースが(アーロン・)ジャッジに『捕手にするぞ』なんて言わないはず」と宿敵のスーパースターを引き合いに出しながら球団を批判した。
一方で、03年から引退するまで14年間にわたってレッドソックスに在籍した“ビッグ・パピ”ことデビッド・オティーズは「コミュニケーションが最善ではなかったことは分かっている」としながらも「それでも、球団はすべての選手に対して最終権限を持っている」「俺だってつらい時期はあったが、状況を理解して内々にとどめる程度には大人だった」とデバースの“未成熟”な姿勢が関係破綻つながったと主張した。また、オティーズはデバースへ何度もテキストメッセージを送りながら、ほとんど返事がなかったとも明かしている。 ところが、今度はサイ・ヤング賞3度の殿堂入り名投手ペドロ・マルティネスがパピに噛みついた。ペドロは「ラフィーがクラブハウスに悪影響を与えるだって? そんなわけがない」と主張。「この問題は最初からフロントではなく現場に任せるべきだった」とした上で、キャンプ中にオティーズがデバースに直接伝えるべきことをメディアを通して語ったことを「間違いだった」と手厳しく批判したのだ。
また、「人々はボストンが選手を尊重しない悪い球団だと見なし始める」とも語り、「過去25年間で最も人気のあるチームの一つが、おそらく最も嫌われるチームになってしまった」と嘆息した。
今もボストンのファンに愛されているレジェンドたちのまさに三者三様の反応が、今回のトレードの衝撃の多さを物語っていると言えるだろう。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。X(旧ツイッター)IDは@Struggler_AKIRA。
【記事】DH転向をめぐる球団との対立以外にも...レッドソックスが急転直下の電撃トレードで主砲デバースを放出した“理由”<SLUGGER>
【記事】「このトレード、どうよ? ヤバすぎるだろう!」カーショウも驚愕 38歳・編成本部長ポージーが仕掛けた“本気”のデバース電撃補強劇
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そもそも、放出の発端となったのは開幕前の三塁からDHへのコンバート。5月にも一塁転向を打診されたデバースはこれを拒否し、球団との関係に軋轢が生じていた。
これを受け、04年と07年にレッドソックス世界一に貢献したメジャー通算555本塁打のマニー・ラミレスは「球団が彼(デバース)を尊重していなかった」と同郷の後輩を擁護。「キャンプで一方的に転向させるのではなく、しっかり話し合うべきだった」と語った。また、「ヤンキースが(アーロン・)ジャッジに『捕手にするぞ』なんて言わないはず」と宿敵のスーパースターを引き合いに出しながら球団を批判した。
一方で、03年から引退するまで14年間にわたってレッドソックスに在籍した“ビッグ・パピ”ことデビッド・オティーズは「コミュニケーションが最善ではなかったことは分かっている」としながらも「それでも、球団はすべての選手に対して最終権限を持っている」「俺だってつらい時期はあったが、状況を理解して内々にとどめる程度には大人だった」とデバースの“未成熟”な姿勢が関係破綻つながったと主張した。また、オティーズはデバースへ何度もテキストメッセージを送りながら、ほとんど返事がなかったとも明かしている。 ところが、今度はサイ・ヤング賞3度の殿堂入り名投手ペドロ・マルティネスがパピに噛みついた。ペドロは「ラフィーがクラブハウスに悪影響を与えるだって? そんなわけがない」と主張。「この問題は最初からフロントではなく現場に任せるべきだった」とした上で、キャンプ中にオティーズがデバースに直接伝えるべきことをメディアを通して語ったことを「間違いだった」と手厳しく批判したのだ。
また、「人々はボストンが選手を尊重しない悪い球団だと見なし始める」とも語り、「過去25年間で最も人気のあるチームの一つが、おそらく最も嫌われるチームになってしまった」と嘆息した。
今もボストンのファンに愛されているレジェンドたちのまさに三者三様の反応が、今回のトレードの衝撃の多さを物語っていると言えるだろう。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。X(旧ツイッター)IDは@Struggler_AKIRA。
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