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プロ野球

沖縄の夜空にオリックス・来田が放った豪快覚醒弾──プロ5年目、レギュラーへの扉をこじ開けろ!【オリ熱コラム2025】

野口航志

2025.07.09

7月1日から2試合連続でホームランを放った来田。プロ5年目、いよいよ本格覚醒が期待される。

7月1日から2試合連続でホームランを放った来田。プロ5年目、いよいよ本格覚醒が期待される。

  沖縄の暑い夜空を切り裂く弾道だった。7月2日、延長10回の沖縄セルラースタジアム。2対2の緊迫した場面、オリックス・来田涼斗が佐々木健(西武)から放った打球は空高く飛び、ライトスタンドの防球ネットに突き刺さった。あわや場外、と思わせるほどの豪快な一撃だった。

【動画】文句なしの一発! オリックス来田、沖縄の夜空へ豪快なアーチを懸ける

 ヒーローインタビューでは、「ほんとに過去イチと言ってもいいぐらいの当たりだったんで。ホームランになって良かったです」と笑顔を見せた。

 この日、来田は自身初の4安打を記録し、盗塁も記録するなど強烈な存在感を示した。それでも、「4安打を打ったのが初めてだったんで、自信にもつながるとは思うんですけど、そこはしっかり、その日はその日っていうのをしっかり分けて試合に臨めたらいいなと思います」と冷静な視線も忘れなかった。

 今季こそ飛躍が期待されながらも、開幕からファーム調整が続いていた来田。5月3日に昇格してからもなかなか結果が出ず、限られた出場機会の中で存在感を発揮できずにいた。ベンチスタートが多い中で、限られた打席にすべてを懸けなければならない。その難しさは、数字以上に選手にプレッシャーがかかるものがある。

 7月1日の西武戦で、チームの好調を牽引してきた西川龍馬が帰塁の際に左足を負傷するアクシデントにより離脱。その代役として来田に出番が巡ってきた。

 1-0とリードする中での8回表。追加点が欲しい場面で放った待望のホームランが、翌日のスタメン出場へとつながった。

 結果が出たことで、翌日(2日の試合)は乗っていけることができたか? との質問には「そうですね。今年結構長打も少なかった中で、試合途中から出て、1本(ホームランが)出たっていうのは本当に大きかったかなと思います」と答えた。

 来田といえば、オリックスジュニア出身で、明石商高時代には甲子園でも鮮烈な印象を残した。特に2年生だった2019年のセンバツでは、準々決勝で先頭打者とサヨナラ本塁打の記憶と記録に残る2本塁打を放ち、20年ドラフト3位でオリックス入団。21年7月13日の日本ハム戦では、高卒ルーキーでは史上初となるプロ初打席初球ホームランの離れ業。あの時のインパクトと期待感に心躍ったファンも多いはずだ。
 そんな来田が今年の春季キャンプで掲げていたテーマは「下半身強化」だった。

「やっぱり去年とか、率とかも全然残ってなかったんで、今年は新しくしっかり下半身使って打とうと思って自主トレをやってきたんで、それをしっかりやっていこうと。この1年間決めたことなんで」

 課題とされていた変化球への対応力向上にも取り組んだ。

「変化球で打たされたっていうのが去年も多かったので、自分のタイミングで(バットが)出るように、下半身の体重移動をしっかりできるように」

 その言葉通り、身体の使い方に変化が現れている。だからこそ、今の結果にもつながっている。

 一方で、まだ成長の途中にあることも事実だ。7月2日の試合では、6回の守備でクッションボールの処理を誤り、失点につながる守備のミスもあった。

「自分の守備のミスもあったんで、そこでしっかり取り返せるように打席に臨んで打席に立ちました」。ミスを反省しながら、しっかりバットで取り返す。「まだまだボール(球)とかも振ってしまうところもあるので。そこはしっかり自分のゾーン、しっかり絞ってスウィングできるようにっていうのを心がけて、1打席1打席、打席に立ってます」

 俊足・強肩・思い切りのいいスウィング――22歳の若き外野手には、まだまだ伸びしろがある。

 プロ5年目で少しずつ見えてきた来田涼斗らしいプレー。沖縄での一発が、彼にとって“ブレイクの起点”となることを多くのファンが願っている。

 7月8日のソフトバンク戦、3回の走塁時に右かかと付近の違和感を訴え、途中交代。詳細はまだ不明だが、来田にとっては今が大きなチャンスだけに軽症であることを祈るばかりだ。

●文/写真・野口 航志

著者プロフィール
のぐちこうじ。 1984年、神戸市生まれ。岡山大学卒業。記者とカメラマンの『二刀流』。プロ野球を中心に、社会人野球やプロレス・ボクシングなどの取材や撮影に携わる。ブレーブス時代からのオリックスファン。

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