「怪我さえなければマイク・トラウト級」と言われる“ガラスのスーパースター”バイロン・バクストン(ツインズ)。今季は大きな怪我なく活躍し、3年ぶり2度目のオールスターに選出された。それだけではなく、7月14日(日本時間15日)に行われるホームラン・ダービーにも出場する。
【動画】HRダービー史上最高の名場面? ハーパーが大逆転で奇跡の優勝を飾る!
ホームラン・ダービーは、短い間隔でフルスウィングを繰り返すため、疲労の蓄積や怪我のリスクの増加を考慮して出場を辞退する選手も多い。だが、ジョージア州出身のバクストンにとって、アトランタで開催される今回のオールスターは格別。ホームラン・ダービーを辞退する選択肢はなかったようだ。
「これほどの舞台のために地元に帰ってこられるなんて、一生に一度の機会でしかない。チームメイトや親しい友人、家族と話したが、全員が本当に喜んでくれた」
もう一つ、ダービー出場を後押ししたのが長男のブリクストン君の存在だ。何でも、ブリクストン君は人気テレビゲーム『MLB The Show』でいつもホームラン・ダービーをプレーしているそうで、以前から「もしパパが出場したら、僕がゲータレードやタオルを持ってあげるからね!」と言っていたらしい。今回の出場は、愛する息子の願いを叶えるという意味合いもあったようだ。
バクストンのパワーは必見だ。今季は6月11日のレンジャーズ戦で飛距離479フィート(約146メートル)という特大本塁打を放っていて、これは今回ダービーに出場する8選手の中でも最長。しかも、ここまで放った21本塁打のうち16本が30球団どの球場でもホームランだったことを表す「No Doubter」で、76%という割合も突出している。 ダービーで父をサポートすることを心待ちにしているというブリクストン君についてバクストンは「自分にとってはかけがえのないこと。ホームラン・ダービーとなればたくさんのスター選手に会えるというのに、息子がやりたいのは自分にタオルやドリンクを持ってくるということなんだ」
親子の絆と故郷のファンからの応援は、何よりの後押しになるに違いない。思い出されるのは、ワシントンDCで行われた18年のホームラン・ダービーだ。当時、地元球団ナショナルズに在籍していたブライス・ハーパーが出場、父が投手役を務めるというサポートを受け、ホームのファンの前で劇的な優勝を遂げた。
現在はフィリーズでチームメイトのカイル・シュワーバー(当時カブス)との決勝ではなかなかペースが上がらず、残り30秒で6本差と絶体絶命の大ピンチに。だが、ここで球場のボルテージがさらに高まると、ハーパーはそこから怒涛の連続本塁打を放ち続けたのだ。タイムアップの瞬間、シュワーバーと同じ18本に到達。ボーナスタイムで見事、逆転優勝を果たした。
9日のカブス戦で左手首に死球を受け、途中退場したバクストン。怪我の多い選手だけにファンをヒヤリとさせたが、自身のボブルヘッド・デーでもあった11日のパイレーツ戦で復帰すると、何と初のサイクルヒットを記録。この勢いのまま、ホームラン・ダービーでも豪快弾を連発してブリクストン君を喜ばせてほしい。
文●松山ようこ
【著者プロフィール】
まつやまようこ。フリーランスの翻訳者・ライター・インタビュアー。野球をはじめとするスポーツやエンターテイメント関連コンテンツの取材・制作を請け負う。『SLUGGER』で「笑劇トピックス」を連載中。訳書『ピッチングニンジャの投手論』『VADER TIME ベイダータイム: 皇帝戦士の真実』。
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バクストンのパワーは必見だ。今季は6月11日のレンジャーズ戦で飛距離479フィート(約146メートル)という特大本塁打を放っていて、これは今回ダービーに出場する8選手の中でも最長。しかも、ここまで放った21本塁打のうち16本が30球団どの球場でもホームランだったことを表す「No Doubter」で、76%という割合も突出している。 ダービーで父をサポートすることを心待ちにしているというブリクストン君についてバクストンは「自分にとってはかけがえのないこと。ホームラン・ダービーとなればたくさんのスター選手に会えるというのに、息子がやりたいのは自分にタオルやドリンクを持ってくるということなんだ」
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現在はフィリーズでチームメイトのカイル・シュワーバー(当時カブス)との決勝ではなかなかペースが上がらず、残り30秒で6本差と絶体絶命の大ピンチに。だが、ここで球場のボルテージがさらに高まると、ハーパーはそこから怒涛の連続本塁打を放ち続けたのだ。タイムアップの瞬間、シュワーバーと同じ18本に到達。ボーナスタイムで見事、逆転優勝を果たした。
9日のカブス戦で左手首に死球を受け、途中退場したバクストン。怪我の多い選手だけにファンをヒヤリとさせたが、自身のボブルヘッド・デーでもあった11日のパイレーツ戦で復帰すると、何と初のサイクルヒットを記録。この勢いのまま、ホームラン・ダービーでも豪快弾を連発してブリクストン君を喜ばせてほしい。
文●松山ようこ
【著者プロフィール】
まつやまようこ。フリーランスの翻訳者・ライター・
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