3月の東京開幕シリーズから5月までの58試合、カブスは241失点しているが、6月以降の56試合では232失点と、何とか現状維持に成功している。そのすべてが投手陣の責任ではないにしろ、左腕エースのジャスティン・スティールや今永を故障で欠きながらも、ベテランのマット・ボイドがキャリア最高級の活躍を見せ、有望株ケイド・ホートンの台頭、コリン・レイの先発転向が奏功したおかげだ。少しネガティブな言い方をすると、積極補強なしでも、何とか優勝戦線に踏み留まっているのが、今のカブスなのだ。
シーズンは残り2ヵ月足らず。先発ローテーションの補強に事実上、失敗し、負傷者リストに入っているジェイムソン・タイオンやハビア・アサードの復帰が望まれる中、「主力」としての今永の存在感は、登板ごとに大きくなっている。
今永以上に「主力」としての存在感が大きいのは、鈴木誠也も同じだ。いやむしろ、「指名打者」として毎日、試合に出続けなければならないことを考えると、とてつもない重圧の下で鈴木は戦っているのかもしれない。
何とか現状維持に成功している投手陣=失点ペースと違って、攻撃陣はこの数ヵ月、苦戦している。3月の東京開幕シリーズから5月までの58試合は334得点。ところが6月以降の56試合では254得点と、こちらは大幅に減少しているのだ。そして、地元メディアやファンが、その要因を鈴木とカイル・タッカー、2人の選手に求めてしまうのは、彼らが「主力」だからだ。
▼5月まで
タッカー OPS.911 12本塁打 39打点
鈴木 OPS.904 14本塁打 52打点
▼6月以降
タッカー OPS.796 6本塁打 22打点
鈴木 OPS.756 13本塁打 32打点
昨今言われる「メジャー最強打順」の「2番」と、続く「3番」を打つ2人の調子が落ちると、得点力も当然、落ちる。大谷翔平(ドジャース)に次ぐMVP有力候補と呼ばれ、4番を打つことの多い“PCA”ことピート・クロウ・アームストロングでさえ、5月までは.863、15本塁打、50打点だったのが、6月以降はOPS.815、12本塁打、28打点と微減しているぐらいだ。打線のつながりが以前より緩くなっているのは間違いない。
鈴木は後半戦最初のレッドソックス戦(7月18日)、26号本塁打を含む2安打3打点と活躍して好スタートを切ったように見えたが、その後の16試合で63打数6安打、0本塁打、2打点と極度の不振に陥った。
「こっちは試合数が多いし、休みがない中でどんどん連戦が続いていくんで、悪くなるとどうしてもそれに乗ってしまうし、そういう流れを断ち切るのは難しい」
8月6日のレッズ戦、7月18日以来となる27号本塁打を含む2安打2打点で、チームの連敗を阻止した試合後、彼は正直にそう言った。
「昨日の試合、出なかったっていうのは気持ち的にもリセットできたし、自分を客観的に...ちょっと離れて試合を見れるっていうのが刺激にもなった。それも良い勉強ですし、怪我なくやれているっていうのも今シーズン初めてなんで。まあ、いろんな課題はあって、いろいろ改善していかなきゃいけないんですけど」
前日、クレイグ・カウンセル監督は、「時には気持ちを入れ直す必要がある」との理由で、鈴木に完全休養日を与えた。右手首の怪我を抱えながらプレーしていた4月下旬以来のことで、それは皮肉にも「指名打者」の立ち位置の難しさを露呈する出来事だった。
「指名打者は守備には就かない」。良い時はそれで問題ない。だが、「守備での負担がないから」という理由だけで毎日、試合に出続けるということは、打撃不振に陥った時にはとんでもないプレッシャーと向き合うことになる。
シーズンは残り2ヵ月足らず。先発ローテーションの補強に事実上、失敗し、負傷者リストに入っているジェイムソン・タイオンやハビア・アサードの復帰が望まれる中、「主力」としての今永の存在感は、登板ごとに大きくなっている。
今永以上に「主力」としての存在感が大きいのは、鈴木誠也も同じだ。いやむしろ、「指名打者」として毎日、試合に出続けなければならないことを考えると、とてつもない重圧の下で鈴木は戦っているのかもしれない。
何とか現状維持に成功している投手陣=失点ペースと違って、攻撃陣はこの数ヵ月、苦戦している。3月の東京開幕シリーズから5月までの58試合は334得点。ところが6月以降の56試合では254得点と、こちらは大幅に減少しているのだ。そして、地元メディアやファンが、その要因を鈴木とカイル・タッカー、2人の選手に求めてしまうのは、彼らが「主力」だからだ。
▼5月まで
タッカー OPS.911 12本塁打 39打点
鈴木 OPS.904 14本塁打 52打点
▼6月以降
タッカー OPS.796 6本塁打 22打点
鈴木 OPS.756 13本塁打 32打点
昨今言われる「メジャー最強打順」の「2番」と、続く「3番」を打つ2人の調子が落ちると、得点力も当然、落ちる。大谷翔平(ドジャース)に次ぐMVP有力候補と呼ばれ、4番を打つことの多い“PCA”ことピート・クロウ・アームストロングでさえ、5月までは.863、15本塁打、50打点だったのが、6月以降はOPS.815、12本塁打、28打点と微減しているぐらいだ。打線のつながりが以前より緩くなっているのは間違いない。
鈴木は後半戦最初のレッドソックス戦(7月18日)、26号本塁打を含む2安打3打点と活躍して好スタートを切ったように見えたが、その後の16試合で63打数6安打、0本塁打、2打点と極度の不振に陥った。
「こっちは試合数が多いし、休みがない中でどんどん連戦が続いていくんで、悪くなるとどうしてもそれに乗ってしまうし、そういう流れを断ち切るのは難しい」
8月6日のレッズ戦、7月18日以来となる27号本塁打を含む2安打2打点で、チームの連敗を阻止した試合後、彼は正直にそう言った。
「昨日の試合、出なかったっていうのは気持ち的にもリセットできたし、自分を客観的に...ちょっと離れて試合を見れるっていうのが刺激にもなった。それも良い勉強ですし、怪我なくやれているっていうのも今シーズン初めてなんで。まあ、いろんな課題はあって、いろいろ改善していかなきゃいけないんですけど」
前日、クレイグ・カウンセル監督は、「時には気持ちを入れ直す必要がある」との理由で、鈴木に完全休養日を与えた。右手首の怪我を抱えながらプレーしていた4月下旬以来のことで、それは皮肉にも「指名打者」の立ち位置の難しさを露呈する出来事だった。
「指名打者は守備には就かない」。良い時はそれで問題ない。だが、「守備での負担がないから」という理由だけで毎日、試合に出続けるということは、打撃不振に陥った時にはとんでもないプレッシャーと向き合うことになる。
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