とはいえ、彼の得票数が低かったのは、キャリア後半に起こしたいくつかの暴行事件の影響も大きい。最初は10年、当時交際していた女性の父親を暴行したとして逮捕され、第三級暴行罪で有罪を認め、1年間のアンガーマネジメント講座の受講と1万5000ドル以上の罰金の支払いを命じられた。12年には婚約者に対する家庭内暴力と暴行の容疑で逮捕されたものの、女性と目撃者が米国を離れて母国ベネズエラに帰国したため、不可解な起訴取り下げとなっている。
ビスケルは通算打率.272やOPS+82など、打撃成績では疑問を持たれているものの、同年代では最高の守備力(ゴールドグラブ賞11回受賞し、守備に関する記録も多数樹立している)と判断したため、何度か投票してきた。ところが彼も近年、得票数を激減させてきた。その理由はロドリゲス同様、いくつかの暴力事件に関与しているからだ。
最初は21年、元妻が6年間の結婚生活以前から、複数回にわたる家庭内暴力を受けたと告発。実際に怪我を負わせて警察に拘束され、その後、夫からの脅迫で手紙に署名させられた後、告訴を取り下げたと証言している。ホワイトソックス傘下のマイナー球団で監督をしていた時代には、自閉症のバットボーイに対するセクシャル・ハラスメントで訴訟を起こされ、民事訴訟を起こされている。
この2人とベルトランのスキャンダルはまったく毛色の違ったものだが、投票結果を見る限り、いずれも「選手の記録、プレー能力、スポーツへの貢献」だけでなく、「誠実さ、人格、スポーツマンシップ」といった側面を考慮されるようになった昨今のMLBの流れの影響を受けている。
じゃあ今年はどうするのか? と考えた時、私はベルトラン以上の成績を残しながら、薬物使用疑惑で投票外となったバリー・ボンズや、ロジャー・クレメンスにかつて投票し続けた過去に縛られた。 ボンズもクレメンスも、PED(パフォーマンス向上薬)が禁止されていなかった時代に活躍し、その成績だけでも殿堂入りに値すると判断したので投票したので、ベルトランが噂通り、不正行為に関与していたとしても「それは彼の通算成績にはあまり関係のない現役最終年だけのこと」と判断するべきではないか? と思ったわけだ。
それを今回、覆したのは皮肉にも、私自身の過去の投票だった。
今年の候補者のうち、通算成績だけなら、順位的に①“A-ROD”ことアレックス・ロドリゲス元内野手、②マニー・ラミレス元外野手、③アンディ・ペティット元投手 となっても不思議ではないが、彼らは全員、過去にドーピング検査で陽性反応が出たか、PED使用を告白した選手たちである。ボンズやクレメンスが検査で陰性反応だったにもかかわらず、結果的に殿堂入り投票から除外されたのだから、その3人に投票するのはフェアじゃないとの判断もあり、過去に一度も投票したことがない。
そこまで潔白を貫くのなら、たとえ使用前の成績が殿堂入りに十分だったとしても、ボンズやクレメンスには投票すべきではなかったが、彼らが殿堂入りを逃したことから、使用前の成績がどうであれ、たとえ一度の過ちであろうと許されないのだな、と思ったものだ。では、昨年まで投票し続けたベルトランに投票するのはどうなのか? さらに実際に刑事事件を起こしたK-RODやビスケルに投票する義理などどこにもないではないか、と考え直したわけだ。
ビスケルは通算打率.272やOPS+82など、打撃成績では疑問を持たれているものの、同年代では最高の守備力(ゴールドグラブ賞11回受賞し、守備に関する記録も多数樹立している)と判断したため、何度か投票してきた。ところが彼も近年、得票数を激減させてきた。その理由はロドリゲス同様、いくつかの暴力事件に関与しているからだ。
最初は21年、元妻が6年間の結婚生活以前から、複数回にわたる家庭内暴力を受けたと告発。実際に怪我を負わせて警察に拘束され、その後、夫からの脅迫で手紙に署名させられた後、告訴を取り下げたと証言している。ホワイトソックス傘下のマイナー球団で監督をしていた時代には、自閉症のバットボーイに対するセクシャル・ハラスメントで訴訟を起こされ、民事訴訟を起こされている。
この2人とベルトランのスキャンダルはまったく毛色の違ったものだが、投票結果を見る限り、いずれも「選手の記録、プレー能力、スポーツへの貢献」だけでなく、「誠実さ、人格、スポーツマンシップ」といった側面を考慮されるようになった昨今のMLBの流れの影響を受けている。
じゃあ今年はどうするのか? と考えた時、私はベルトラン以上の成績を残しながら、薬物使用疑惑で投票外となったバリー・ボンズや、ロジャー・クレメンスにかつて投票し続けた過去に縛られた。 ボンズもクレメンスも、PED(パフォーマンス向上薬)が禁止されていなかった時代に活躍し、その成績だけでも殿堂入りに値すると判断したので投票したので、ベルトランが噂通り、不正行為に関与していたとしても「それは彼の通算成績にはあまり関係のない現役最終年だけのこと」と判断するべきではないか? と思ったわけだ。
それを今回、覆したのは皮肉にも、私自身の過去の投票だった。
今年の候補者のうち、通算成績だけなら、順位的に①“A-ROD”ことアレックス・ロドリゲス元内野手、②マニー・ラミレス元外野手、③アンディ・ペティット元投手 となっても不思議ではないが、彼らは全員、過去にドーピング検査で陽性反応が出たか、PED使用を告白した選手たちである。ボンズやクレメンスが検査で陰性反応だったにもかかわらず、結果的に殿堂入り投票から除外されたのだから、その3人に投票するのはフェアじゃないとの判断もあり、過去に一度も投票したことがない。
そこまで潔白を貫くのなら、たとえ使用前の成績が殿堂入りに十分だったとしても、ボンズやクレメンスには投票すべきではなかったが、彼らが殿堂入りを逃したことから、使用前の成績がどうであれ、たとえ一度の過ちであろうと許されないのだな、と思ったものだ。では、昨年まで投票し続けたベルトランに投票するのはどうなのか? さらに実際に刑事事件を起こしたK-RODやビスケルに投票する義理などどこにもないではないか、と考え直したわけだ。
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