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プロ野球

【ソフトバンク投手陣の最新序列は?】千賀、高橋礼、甲斐野らの柱を故障で欠く中、彼らに次ぐ有力選手は誰なのか?

喜瀬雅則

2020.03.20

【救援】
◎森唯斗
◎嘉弥真新也
○高橋純平
△モイネロ
△津森宥紀【NEW】
△古谷優人
△サファテ
△泉圭輔
△川原弘之
△松田遼馬
★尾形崇斗
×甲斐野央

 入団以来6年連続50試合以上登板の鉄腕守護神・森は健在。今季も「9回」をまずはこの右腕に託すことになりそうだ。左腕・嘉弥真の存在も不可欠。左殺しのワンポイントだけでなく、1イニングを全うするだけの力は十分にある。

 昨季ルーキーながら65試合に登板、フル回転した甲斐野は右ヒジを痛め、復帰まで相当な時間がかかりそうだ。先発転向を志していた高橋純は、故障者が続出しているチーム事情もあり、今季も貴重なセットアッパーとしての役割となりそうだ。
 またリリーフ陣にも、外国人枠の問題が頭をもたげてくる。昨季60試合に登板した左腕・モイネロは、ブルペンに不可欠な存在だが、野手でデスパイネ、グラシアルの2枠がまず決定的。投手陣でも、前述の左腕ムーアの存在感が高まっており、こちらは先発即抹消のパターンではなく、中6日でのローテーションを守っていく形になるだろう。

 そうすると、外国人枠の残りは「1」。バンデンハークを起用したい時に、ムーアを外すのか、モイネロを外すのか、何とも悩ましい状況に陥るのだ。さらに右股関節手術後のリハビリで昨季を棒に振った、かつての守護神・サファテも復活を目指している。この「外国人枠」を巡っての競争は、チームの浮沈に関わってくるだけに、工藤監督も難しい舵取りを迫られそうだ。

 ドラフト3位ルーキーの津森も、勝利の方程式の一翼を担う勢いを見せている。サイドハンドから右打者の内角を突ける強気のピッチングで、ソフトバンクのブルペン陣にはいないタイプだ。

 他に楽しみな新戦力は、4年目の古谷。昨季の三軍戦で非公式ながら160キロをマークした左腕は、手薄な左の中継ぎとして台頭の期待が大きくなっている。さらに、育成3年目の尾形は、度胸のいいピッチングで、同じ育成からエースの座をつかんだ「千賀二世」の異名を取る。16日に支配下登録されたため、貴重なセットアッパーとして活躍の場は増えるだろう。

 左ヒジ手術の影響で、一度は育成登録となりながら、昨季支配下に復帰した11年目の川原も、150キロ台の速球を武器に、ブルペン陣を支える貴重な1枚になりそうだ。松田遼は中継ぎ、泉はローテーションの谷間での先発を含めたロングリリーフ役で重宝しそうだ。

取材・文●喜瀬雅則(スポーツライター)

【著者プロフィール】きせ・まさのり/1967年生まれ。産経新聞夕刊連載「独立リーグの現状 その明暗を探る」で 2011年度ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。第21回、22回小学館ノンフィクション大賞で2年連続最終選考作品に選出。2017年に産経新聞社退社。以後はスポーツライターとして西日本新聞をメインに取材活動を行っている。著書に「牛を飼う球団」(小学館)「不登校からメジャーへ」(光文社新書)など。
 

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