▼ヤクルト:80点
選手の個性を生かす視点が光った指名
ヤクルトは現有戦力を見極めた上で、非常に魅力的な指名を行った
投手陣の課題が指摘されがちなヤクルトだが、チームの補強ポイントは投手だけではない。レギュラーの陣容は悪くないものの、打線をパワーアップできる外野手が必要だった。
そのなかで指名した1位の藤澤涼介(東京ガス)、2位の佐藤悠太(東北福祉大)はともに右打者として、打線を大きく強化できる。
特に藤澤は、フォームなど打撃に独特の特徴を持つ。個性ある選手はどの球団でも同じように成長できるわけではない。選手の個性を理解し、それを生かせる指導や起用ができる環境に身を置くことが重要だ。その点では、ヤクルトは藤澤の能力を引き出すのに適した球団と見える。
さらに、捕手の福原聖矢(明治大)、ユーティリティー性のある高田瑛大(都城高)ら、職人タイプを指名したのも心憎い。投手についても、先発だけでなく、中継ぎ陣の将来的な構成も見据えた補強を行っている。
選手の能力を評価するだけでなく、入団後にどう育て、どんな役割を担わせたいか。そうした視点が感じられるドラフトだった。
▼巨人:80点
高校生4人の指名に見えた、チーム再建への方向性
巨人も高く評価したいドラフトだ。
織田翔希(横浜高)をはじめ、4位までの指名を全て高校生に振り切ったことが大きい。
近年の巨人は、即戦力を求めた社会人選手中心の指名傾向が見られた。しかし、大学生や社会人選手の獲得ばかりでは、チーム全体の若返りや、活性化につながりにくい。
プロ野球のチームづくりでは、「今すぐ戦力になる選手を獲得すること」と、「将来の主力を育てること」の両立が必要になる。目先の勝利を優先するあまり、若い選手が育つ余地を狭めてしまえば、数年後にはチームの勢いが失われかねない。
今回の巨人は、将来を担う可能性のある高校生を上位で積極的に指名した。織田の指名に賛否両論があるのは間違いないが、チームの方針として、将来を見据えた選手獲得という一貫性が感じられる。
ドラフトは、翌年の戦力を補うだけの場ではない。数年後のチームの中心を誰に託すのか。その意思が見える指名だった。




