▼広島:50点
マイナスをゼロに戻すことに追われた指名
広島のドラフトからは、チーム編成の苦しさが浮かび上がった。
今回の指名は、新たな強みをつくるよりも、失われる戦力や弱点の穴埋めに重点が置かれた印象が強い。ドラフトの前には、フィールド外の問題で信用を失った主力3選手に戦力外を通告。ポジションは二遊間2人と外野手だった。
1位指名の山里宝(亜細亜大)、5位で同じく遊撃手の光弘帆高(明治大)を指名。これは先の戦力外選手によるマイナスをゼロに戻すためだ。投手についても、今後の主力FAによる戦力ダウンを想定した補強が必要だった。
本来なら将来性も重視したいドラフトだが、こうしたチーム状況では不足を埋めるための指名に追われてしまう。
もちろん、必要な戦力を確保すること自体は間違っていない。問題は、それだけでチームが強くなるわけではないということだ。ドラフトを通じてチームの不足分を補うことと、数年後に優勝を争える戦力を構築することは別の話である。
今回の広島は、まず現状を立て直すためのドラフトだった。ここからどうやって将来の主力を育成し、チームに新たな強みを生み出していくのか。チームは大掛かりな再建期に突入したとも言える。
文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)
【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園は通過点です』(新潮社)、『baseballアスリートたちの限界突破』(青志社)がある。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設している。
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