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MLB

【2010年代30球団通信簿:ア・リーグ西地区】大谷のエンジェルス、イチローが在籍したマリナーズは苦戦。一方、サイン盗みに手を染めたアストロズは?

2020.04.14

マリナーズはこの10年で地区最下位が4度。ポストシーズンからは01年以来ずっと遠ざかっている。(C)Getty Images

マリナーズはこの10年で地区最下位が4度。ポストシーズンからは01年以来ずっと遠ざかっている。(C)Getty Images

▼オークランド・アスレティックス
【評価】よくできました(A)

 2012年から2度の地区優勝を含め3年連続プレーオフ進出。14年は途中補強でジョン・レスターらを加えるなど大勝負に出た。だが、ワイルドカード・ゲームで敗退すると、今度はジョシュ・ドナルドソンやジェフ・サマージャら主力を次々に放出してチームを解体。3年連続最下位を経て、18年から再浮上してプレーオフに返り咲いた。

 勝負の時期と雌伏の時期を適切に見極め、それに合わせて潔く(?)チームを作り替えるビリー・ビーンの手法は、スモールマーケット球団ならではの戦略だが、結果として資金力で勝るエンジェルスやマリナーズより好成績を残しているのだから、やはりすごい。ただし、プレーオフでは5回連続で初戦敗退。「プレーオフの結果は時の運」と断言するビーンに、野球の神様が意地悪をしているのかもしれない?
 
▼シアトル・マリナーズ
【評価】ガッカリです(E)

 2010年代に一度もプレーオフ出場を果たせなかった4チームの1つ(他はホワイトソックス、マーリンズ、パドレス)。10年間の総年俸11.7億ドルは30球団中14位と、決してお金がないわけではないにもかかわらずこの結果は、端的に言ってチーム作りがかなり拙いことの証左だろう。

 13年オフには10年2億4000万ドルの大盤振る舞いでロビンソン・カノーを獲得したが、プレーオフの切り札にはならず。00年代に続いてドラフトでの失敗も相次ぎ、15年9月にGMに就任したジェリー・ディポートが何十件ものトレードを成立させても、全体の戦力はさほど上向かなかった。再建モードへ移行した19年は、前年に復帰したイチローが現役引退、10年にサイ・ヤング賞を獲得した"キング"ことフェリックス・ヘルナンデスもこの年を最後にマリナーズを去ることになった。
 

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