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MLB

あと2年あればメジャーに昇格できた? あれから27年、“バスケの神様”マイケル・ジョーダンのMLB挑戦を振り返る【後編】

出野哲也

2020.04.22

偉ぶることもなく真摯に野球に取り組んでいたジョーダン。チームメイトとの関係も良好だった。(C)Getty Images

偉ぶることもなく真摯に野球に取り組んでいたジョーダン。チームメイトとの関係も良好だった。(C)Getty Images

 最終的には127試合で打率.202、3本塁打、51打点、30盗塁で失敗18回。守備では補殺を6回記録する一方で11失策を犯した。称賛できるような成績ではない。だが、十数年も野球に関わっていなかったことを考えれば、失敗の一言で片付けられる数字でもない。明らかに成功だったのは営業面。バロンズの年間観客動員数は46万人を超え、前年から169%もアップし、2番目に多いチームを15万人以上も上回った。

「シーズン終盤戦で手に入れた感覚を忘れたくないから」と秋季リーグにも参加して、36試合で打率.260をマークした。だが、野球への挑戦は突然終わりを迎える。MLBでは94年8月から選手会がストライキに突入し、残りのシーズンとポストシーズンがすべて中止になっただけでなく、95年に入っても解決の糸口を見いだせていなかった。
 
 2月になってキャンプが始まると、各球団は組合に属さないマイナーリーガーを代替選手として招集したが、選手会は彼らを組合破りと見なして厳しい姿勢で臨んだ。3Aナッシュビルへの昇格が決まっていたジョーダンは板挟みになる。試合に出られなければ上達は見込めない。そうかと言って、裏切り者にもなりたくない――迷った末、彼は3月10日に野球を断念する旨の声明を発表した。

 すでにバスケットボールへの情熱を取り戻し、ブルズの練習にも参加していたほどで、NBAへ戻るのは時間の問題だった。「I’m back.」の名台詞で復帰を宣言したのは、その8日後。ブルズでもしばらくは45番のユニフォームでプレーしていたが、ほどなく馴染みの23番に戻した。翌96年からは2度目の3連覇を成し遂げ、MVPトロフィーもさらに2つ追加している。
 

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