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MLB

あと2年あればメジャーに昇格できた? あれから27年、“バスケの神様”マイケル・ジョーダンのMLB挑戦を振り返る【後編】

出野哲也

2020.04.22

 NFLでスーパースターになったディオン・サンダースも、MLBで9年プレーし通算186盗塁、こちらはワールドシリーズとスーパーボウルに出場した唯一の例である。ジョーダンと同じバスケットボールでは、ジーン・コンリーが投手として2ケタ勝利5回(通算91勝)、オールスター3回。NBAでは6年間プレーし、ボストン・セルティックスの控えセンターとして3度の優勝を経験している。

 ただ、これら成功例に挙げられる選手が兼任していたのは20代の頃で、最も遅くまで両立させていたコンリーも、33歳でプロスポーツの世界から退いている。31歳での再スタートとなったジョーダンは、たとえMLBまで上がれたとしても長く活躍はできなかっただろうし、野球への挑戦が長引きすぎれば、NBAで再び頂点を極められたかどうかはわからない。
 
 しかし、野球への寄り道はまったくの無駄ではなかった。「野球を通して、彼は競争する楽しさを再発見できたのではないかと思う。もう一度バスケットボールに戻るきっかけになったんだ」とフランコーナは見ている。「マイケルの監督だったことは、この仕事を学ぶ上で最高の経験になった」とも言う。2004年、フランコーナはボストン・レッドソックスを86年ぶりの世界一へ導いたが、個性派集団をまとめ上げた手腕はジョーダンと過ごした日々を通じて培われたのかもしれない。

 最後に、ジョーダンはメジャーへ上がれたのかどうか? という疑問をフランコーナにも答えてもらおう。「『ノー』なんて言われたら、どんな手を使っても『イエス』に変えさせる男だ。私なら、反対票を投じようとは思わないよ」

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。

【PHOTO】引退後もその影響力は絶大!NBAの頂点に君臨するバスケットボールの”神様”マイケル・ジョーダン特集
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