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大学野球

“地方大学“で台頭した名手たち――球界を牽引する6選手の知られざる足跡を振り返る

大友良行

2020.05.03

柳田は大学時代に

柳田は大学時代に"安芸のボンズ"と呼ばれるまでに長距離砲として成長した。写真:大友良行

●柳田悠岐(ソフトバンク/外野手)
1988年生まれ。右投左打。広島県出身。
広島商高-広島経済大(広島六大学リーグ)-ソフトバンク。

『ギータ』の愛称でファンから親しまれている今や球界を代表するパワーヒッター。小学3年から野球をはじめ、6年時に左打ちに転向。高校入学時は、160㎝と小柄だったが、3年時は180㎝と20㎝も伸びたという。

 3年夏は県大会ベスト4で敗退。高校通算本塁打は少なく11本だった。ところが夏が終わった後、ウエイトに取り組んで並外れたパワーを身につけ、体が大幅に変化。187㎝92㎏までに急成長した。その結果、広島経済大の大学1年秋からレギュラーとなり、首位打者とベスト9を獲得。大学通算82試合、118安打、本塁打8本(練習試合を含むと17本)、60打点、打率.428と打ちまくった。

 首位打者4回、ベスト9も6回獲得し、4年秋には1シーズン25安打を記録した。高校時代の一本足打法からすり足打法に代え、その思い切ったフルスイングが話題となり”安芸のボンズ(元パイレーツ、ジャイアンツ)”と呼ばれるまでに長距離砲として成長した。当時から足も速く50m5.9秒、遠投120mと肩も強い。ただ大学選手権には、2018~10年まで3季連続出場したが、安打がたった2本と結果が出なかったことが心残りだろう。

●菊地涼介(広島/二塁手)
1990年生まれ。右投右打。東京都出身。
武蔵工大第二高(長野県)-中京学院大(東海地区大学野球連盟岐阜学生リーグ)-広島。

 高校では三塁手、大学1年春から遊撃手でレギュラーを確保して打点王に輝いた。小柄だが、リストが強く、身体能力が高いのでどんなボールにも対応でき、パンチ力のある打球を放つ。遠投117mと強肩。足も50m5秒9で一塁到達タイムが4.3秒。打球に跳びつくガッツある守備では「プロでもすぐ使える」「まるで忍者」と評価されたほどだ。

 大学通算83試合、106安打、打点49、打率.379、本塁打10本。09年春に打点王、09年春秋には首位打者と本塁打王。09年春には三冠王。5回のベスト9と、申し分のない成績を残して、広島にドラフト2位で指名された。
 
●大瀬良大地(広島/投手)
1991年生まれ。右投右打。長崎県出身。
長崎日大高-九州共立大(福岡六大学リーグ)-広島。

 野球を始めたのは小学4年から。高校では3年夏に甲子園出場し、1回戦でセンバツ準優勝投手の菊池雄星(現シアトルマリナーズ)を擁する花巻東と対戦。6回まで2失点に抑えたが、7回に降板すると、リリーフ投手が打たれ5対8で逆転負けした。この試合、147㎞を投げ、プロから注目されたが志望届は出さず、九州共立大へ進学した。

 大学では1年春に5勝0敗、防御率0.63でベスト9とチーム優勝に貢献した。第60回大学選手権でベスト4。第38、40回の日米大学野球の米国遠征メンバーに選ばれ、計4試合9.1イニングで奪三振8、防御率0.96と外人相手にも結果を残した。

 10年秋に新人賞、10年春、11秋、12年春秋にベスト9に選ばれ、11年春秋、12年春と3季連続MVP。12年秋は敢闘賞と、投手部門の賞をほぼ独り占めにした。特筆すべきは、4年秋の開幕試合で福岡工大相手に153㎞を出し16三振を奪ったことだろう。

 リーグ通算成績は、57試合380イニング38勝8敗。奪三振379、防御率1.07。2013年ドラフトで広島が1位指名した。
 

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