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大学野球

“地方大学“で台頭した名手たち――球界を牽引する6選手の知られざる足跡を振り返る

大友良行

2020.05.03

山川は大学時代、一塁手、外野手、DHの3ポジションでベスト9を受賞している。写真:大友良行

山川は大学時代、一塁手、外野手、DHの3ポジションでベスト9を受賞している。写真:大友良行

●山川穂高(西武/内野手)
1991年生まれ。右投右打。沖縄県出身。
中部商高-富士大(北東北大学リーグ)-西武。

 ふっくらとした体型で本塁打を放ち、『どすこい!』とベンチ前で演じるパフォーマンスが大ウケだ。

 そんな山川が野球を始めたのは小学4年から。中学時はクラブチームとバレーボールを両立したが、高校は野球一本で2年秋から四番に座り、3年春に沖縄水産戦で3ランを含む5打点。3年夏は決勝で興南に敗れ凖優勝に終わった。

 富士大では1年春からレギュラー。2年時に日米野球で左翼場外へ満塁弾を放てば、4年春のリーグ戦でバックスクリーンへ140m弾をぶち込んだ。リーグ通算78試合で273打数80安打。本塁打11本、打点55、打率.293.長打率.460の活躍で、1年秋に打点王、1、3年春に一塁手としてベスト9に選出された。また、2年春は外野手でベスト9、4年春はDHでベスト9入りし、2013年ドラフトで西武から2位指名を受けた。

 習字8段の免許を持ち、ピアノを上手く弾くこともできる多才な一面も。
 
●則本昂大(楽天/投手)
1990年生まれ。右投左打、滋賀県出身、
八幡商高-三重中京大(東海地区大学リーグ)-楽天。

 大学4年時の全日本選手権で大阪体育大を相手に延長10回投げ20個の三振を奪い、タフネスぶりを発揮。特別賞を受賞した。通算成績は、33勝0敗で防御率0.56と圧倒的な数字を残し、リーグMVPが1回、ベスト9が2回に輝いている。

 小学時は水泳もやっていたので、エースになったのは5年生から。高校1年時にチームは甲子園出場を果たしたが本人はベンチ外で、2年からエースになり、とにかく走りまくったそうだ。高校時代は、MAX154kmを記録し、ストレート中心にスライダー、フォーク、カーブ、チェンジアップ、スプリットと球種も豊富。スリークオーター気味に投げ込むが、リリース時に顔が上を向くので写真は撮りにくかった。

 大学では大活躍したものの、三重中京大が2013年で閉校が決まっており、則本らは最後の卒業生になってしまった。2012年ドラフトで、楽天から2位指名を受けた。

取材・文●大友良行

【著者プロフィール】
おおとも・よしゆき/元大手新聞社の報道写真記者。事件事故取材の傍らメジャーリーグやサッカーW杯などの欧州サッカーを取材。現在は、全国の大学野球、春夏の甲子園をはじめとする高校野球、都市対抗を中心に社会人野球などを深く取材している。著書に「野球監督の仕事(共著・成美堂出版)」、「CMタイムの逆襲(東急エージェンシー)」などがある。

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