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プロ野球

【名門校別歴代ベストチーム作ってみた:トヨタ自動車】名捕手・古田が攻守にわたるキーマンに。自動車メーカーらしい(?)俊足揃いの打線にも注目!

筒居一孝(SLUGGER編集部)

2020.05.27

 古田の後を打つ5番には、今年プロ3年目を迎える藤岡を据えた。やや長打力不足ではあるが、17年に新人ながら開幕スタメンに抜擢され、いきなり猛打賞を記録した爆発力に期待したい。続く6番は本来は捕手の木下。球団OBの元本塁打王・山崎武司から「20本塁打は打てる」と太鼓判を押された長打力を見込んでのことだ。正捕手には古田がおり、打撃を生かす目的もあって一塁に回ってもらった。

 ただ、ここからはやや層の薄さが否めない。昨年まで楽天の監督を務めた平石は、社会人時代は日本代表にも選ばれた好選手だったが、プロでは通算122試合で打率.215に終わった。山田も故障に悩まされたため、97年に19試合に出場したのみである。自身唯一の本塁打を決勝2ランで飾ったことがキャリアのハイライトだ。

 投手陣を見ていくと、こちらも現役選手を中心とした布陣となる。エースを務める金子は七色の変化球と制球力を武器に、オリックス時代に沢村賞をはじめ数々のタイトルを獲得。吉見も、通算与四球率1.57と尊敬する金子以上に精密なコントロールを武器に最多勝2回、最優秀防御率を1回獲得。安藤も同じく制球力に優れ、05年にはリーグ最高勝率で阪神の優勝に貢献した安定感のあるピッチャーだ。
 
 4番手の高橋は速球派だが、40歳近くまで活躍を続けた息の長い投手だ。救援の大谷も15年には64イニングを投げてわずか5四球と、やはりコントロールに長けている。どの投手も捕手・古田の好リードがあれば、さらに持ち味を引き出せるだろう。

 守備面ではゴールデン・グラブ賞受賞者が5人もいる。古田の10度受賞は捕手では史上最多記録で、源田も18~19年にショートで2年連続受賞と評価が高い。外野で受賞した荒波と荻野は、いずれも俊足を生かした広い守備範囲が持ち味だ。投手で受賞経験のある金子も含めて、特に盤石なセンターラインもこのチームの強み。機動力を駆使した攻撃と緻密な投手力・守備力を武器に、日本らしい“スモール・ボール”を展開するチームになりそうだ。

文●筒居一孝(SLUGGER編集部)
 

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