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プロ野球

投手は"令和の怪物"、野手は…アマチュア野球ウォッチャー西尾典文が選ぶ「今まで見た中で最も凄い選手」

西尾典文

2020.06.03

 野手はかなり迷ったが、一人を選ぶとなると清宮幸太郎(早稲田実→日本ハム)になる。とはいえ、佐々木のように最初から圧倒的な凄さを感じたわけではない。初めて彼のプレーを見た15年夏の甲子園、今治西高戦だった。甘いボールを見逃さない集中力と打球の速さこそ目立ったものの内角に弱さがあり、打つ以外のプレーの緩慢さも気になった。甲子園の後に行われた大学ジャパンとの壮行試合で田中正義(創価大→ソフトバンク)のストレートをセンター前に弾き返したのは見事だったが、この時点ではまだ2年後どうなるか分からないというのが率直な感想だった。

 印象が大きく変わったのは2年秋、最上級生になってからだ。都大会の決勝で桜井周斗(日大三→DeNA)から5連続三振を喫したこともあったが、それ以外の試合では高い注目を集めながらも常に結果を出し続けていた。打席での集中力の高さは高校生の中に一人だけプロが混ざっているように感じたものである。
 
 上手く上半身の力を抜いてスウィングしているのでテレビ画面越しではそこまで凄さは伝わってこないが、ネット裏の近い位置から見るとヘッドスピードと打球音には驚かされるものがあった。プロ入り後の2年間は故障もあってまだ本領発揮とはなっていないが、一年間万全にプレーできる体力と筋力がついた時にどの程度の成績を残してくれるかは今から楽しみである。

 佐々木は2019年、清宮は2017年のドラフトで指名されており、二人とも直近にプロ入りした選手と言うことで拍子抜けした読者もいらっしゃるもしれないが、自分の気持ちに嘘偽りなく選んだ結果である。長くアマチュア野球の現場を見ていて思うことは、トップ選手の力量は年々確実にレベルアップしているということである。それはプロでも同様であることは間違いない。今後もこの二人を超えるような凄い選手が必ずや出てくるだろう。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる。ドラフト、アマチュア野球情報サイト「プロアマ野球研究所(PABBlab)」を2019年8月にリリースして多くの選手やデータを発信している。
 

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