阪神は投手の駒で言えば、12球団トップクラスでしょう。が、ここは本当に打線が苦しい。練習試合ではボーアが頑張っていますけど、これも新外国人という“期待してはいけない”ファクターですよね。阪神は何年も4番問題に頭を悩まされていて、いまだに糸井嘉男、福留孝介のベテランに頼っていては厳しい。江越大賀も好調をアピールしていて、期待されている若手バッターはちょいちょいいるのですが、年間を通して活躍ができていません。ここが変わってくれば相当に面白いのですが……。
昨年2位のDeNAは、山﨑康晃を除いたリリーフ陣の不安定さが気になります。勝利の方程式が確立できておらず、多くの投手が防御率3点台より悪いですから、連戦続きの今シーズンでは彼らの負担が増して一層、成績が悪化することも考えられます。東克樹がトミー・ジョン手術で離脱して先発にも大きな穴が空きましたし、これは投手陣全体に重くのしかかるでしょう。
ヤクルトは正直、投打ともに厳しいです。バレンティンが抜けた4番の穴はもちろん、ここは投手力がずっと課題ですからね。村上宗隆が体調不良になったのも気になるところです。打線に関しても、青木宣親や雄平とベテランに頼っていて、村上以外の若手が出てきていないのも苦しいです。それでも、奥川恭伸が一軍デビューできそうなのは朗報でしょうか。佐々木朗希(ロッテ)よりも早期昇格はありそうですし、身体のバランスも良く、投げ方も洗練されており、完成度の高さを考えても本当に良いピッチャーですよね。私も楽しみにしています。
評論家としては、あるまじきですが、僕らの予想を覆すシーズンになる方が面白いです(笑)。そして何よりも、今シーズンに関しては無事に終わることがとにかく大事でしょう。ファンの方の期待も大きいでしょうが、新型コロナウイルスの猛威はまだまだ収まっていませんし、シーズン開幕はうれしい反面、選手のコンディションは本当に気になります。
急ピッチで仕上げた結果、故障してしまって将来に影響を及ぼすようなことがあれば、本当に野球人生が大きく変わってしまいますから。選手もかなり開幕を待って、気持ちが前のめりになっているはずです。心と身体のバランスをうまく取って、監督・コーチもしっかり気を配らなければいけません。
今シーズンは、怪我人が限りなく少なく、新型コロナの感染者もゼロで終えてくれることが一番です。
【プロフィール】
さいとう・かずみ/1977年11月30日、京都府京都市出身。1995年ドラフト1位で福岡ダイエー(現ソフトバンク)に指名されてプロ入り。2003年にパ・リーグ18年ぶりとなる20勝の大台をクリアし、最多勝・最優秀防御率・最高勝率のタイトルを獲得して沢村賞に選ばれた。06年にはプロ野球史上初の開幕15連勝を達成するなど、史上7人目の投手五冠を達成して自身2度目の沢村賞を受賞。その後は故障もあって13年限りで現役を引退し、以降は評論家・解説者に転身。
昨年2位のDeNAは、山﨑康晃を除いたリリーフ陣の不安定さが気になります。勝利の方程式が確立できておらず、多くの投手が防御率3点台より悪いですから、連戦続きの今シーズンでは彼らの負担が増して一層、成績が悪化することも考えられます。東克樹がトミー・ジョン手術で離脱して先発にも大きな穴が空きましたし、これは投手陣全体に重くのしかかるでしょう。
ヤクルトは正直、投打ともに厳しいです。バレンティンが抜けた4番の穴はもちろん、ここは投手力がずっと課題ですからね。村上宗隆が体調不良になったのも気になるところです。打線に関しても、青木宣親や雄平とベテランに頼っていて、村上以外の若手が出てきていないのも苦しいです。それでも、奥川恭伸が一軍デビューできそうなのは朗報でしょうか。佐々木朗希(ロッテ)よりも早期昇格はありそうですし、身体のバランスも良く、投げ方も洗練されており、完成度の高さを考えても本当に良いピッチャーですよね。私も楽しみにしています。
評論家としては、あるまじきですが、僕らの予想を覆すシーズンになる方が面白いです(笑)。そして何よりも、今シーズンに関しては無事に終わることがとにかく大事でしょう。ファンの方の期待も大きいでしょうが、新型コロナウイルスの猛威はまだまだ収まっていませんし、シーズン開幕はうれしい反面、選手のコンディションは本当に気になります。
急ピッチで仕上げた結果、故障してしまって将来に影響を及ぼすようなことがあれば、本当に野球人生が大きく変わってしまいますから。選手もかなり開幕を待って、気持ちが前のめりになっているはずです。心と身体のバランスをうまく取って、監督・コーチもしっかり気を配らなければいけません。
今シーズンは、怪我人が限りなく少なく、新型コロナの感染者もゼロで終えてくれることが一番です。
【プロフィール】
さいとう・かずみ/1977年11月30日、京都府京都市出身。1995年ドラフト1位で福岡ダイエー(現ソフトバンク)に指名されてプロ入り。2003年にパ・リーグ18年ぶりとなる20勝の大台をクリアし、最多勝・最優秀防御率・最高勝率のタイトルを獲得して沢村賞に選ばれた。06年にはプロ野球史上初の開幕15連勝を達成するなど、史上7人目の投手五冠を達成して自身2度目の沢村賞を受賞。その後は故障もあって13年限りで現役を引退し、以降は評論家・解説者に転身。