DeNAは本当に期待しているのですが不確定要素が多くて……。注目している先発陣が毎年のように離脱しているのが残念です。今年も東克樹がトミー・ジョン手術を受けて全休ですからね。もっとも、今永昇太、濵口遥大、上茶谷大河、石田健太、平良拳太郎と頭数は揃っていて、井納翔一をどう起用するのか、あとは新外国人のピープルズも控えています。ただ、ピープルズに関しては外国人枠の関係で出番がもらえるかどうか。
筒香嘉智の穴を佐野恵太でどれだけ穴埋めできるかも不透明ですよね。確かに新外国人のオースティンがOP戦も練習試合も大活躍しています。とはいえ、DeNA打線の核は、私の中ではソトとロペスです、彼ら2人は絶対に外せません。外国人枠としては、そこに投手のエスコバーとパットンがどうか、その次に新しいオースティンとピープルズが絡んでくると見ています。もっとも、今の感じでオースティンを外すとは思えないので、投手の外国人枠は残り1枠。リリーフに課題を抱えるチーム事情を考えると、やはりエスコバーかパットンかとなります。これが編成の難しさですね。ぜいたくな悩みと言えるでしょうか。
古巣とあって、一番注目しているのは上茶谷です。去年、彼が新人王クラスの活躍ができると見込んでいたので、その力はある投手ですから、「左の今永、右の上茶谷」というWエースになることを期待しています。
中日は4位にしていますが、「楽しみ度」で言えばナンバーワンかもしれません。野手のレギュラーがしっかりと固まっていて、あとはピッチャーがどうか。梅津晃大や山本拓実という若手も出てきていますからね。二軍では根尾昂、石川昂弥の2人が頑張っていますし、チームの底上げができている印象があります。空白の3か月がなければ、石川の今季の一軍昇格はかなり早い段階であったかもしれません。
阪神は打線が課題と言われていましたが、開幕直前になってボーアのバットが火を噴いていますね。しかし、油断は禁物です。これはオースティンにも言えることですが、シーズン前と本番は全然別物なので。この時期、相手ピッチャーは打者を探っている部分もあります。新外国人選手に関しては、「打っているというより、打たされている」という面も少なからずあるでしょう。情報収集の段階なんですよね。
実際、僕が現役時代にはこうした“駆け引き”が行われていました。僕はそこそこコントロールが良い方だったので、監督から「あのコースに投げてみてくれ」と頼まれたこともありました。好調すぎても不安はあるし、これで打てなかったらどうしようもないという(笑)。だから、外国人選手は分からないんです。
前回、阪神の注目選手に挙げた藤浪晋太郎ですが、ここにきて残念なニュースが続いていますね。新型コロナウイルスの感染や練習遅刻による二軍降格、右胸の筋挫傷と……。ここ2年は彼も苦労しているので、ポテンシャルも考えたら本当に頑張ってほしい選手です。
ヤクルトは投打ともに苦しいのは間違いないですが、奥川恭伸がどれだけ早く出てくるのか楽しみです。開幕が遅れたことで彼の故障が癒えて、7月に一軍で投げていても何ら不思議はない能力を持っています。もっとも、では中6日でローテーション通りに投げてくれ、とはならないでしょうし、チームとしても大事に育てていくと思います。ただ、過保護にしすぎるのも良くはないですね。多少、身体に不安があっても、大事な場面で投げさせなければならない時がいずれ来ると思います。無理はいけませんが、しかし、そういう経験をすることで強くなることもありますから。それを見極める力が、高津臣吾新監督にはあると思います。
【著者PROFILE】
のむら・ひろき/1969年6月30日生まれ、広島県広島市出身。PL学園高ではエースで4番を務め、87年に甲子園春夏連覇を達成。87年ドラフト3位で横浜大洋ホエールズに指名されてプロ入りした。93年に17勝で最多勝を獲得するなど、2ケタ勝利を6度マーク。98年にはチーム最多13勝を挙げ、球団38年ぶりのリーグ優勝&日本一に貢献した。2002年に15年の現役生活を終え、引退後はコーチや解説者、評論家として活躍中。
筒香嘉智の穴を佐野恵太でどれだけ穴埋めできるかも不透明ですよね。確かに新外国人のオースティンがOP戦も練習試合も大活躍しています。とはいえ、DeNA打線の核は、私の中ではソトとロペスです、彼ら2人は絶対に外せません。外国人枠としては、そこに投手のエスコバーとパットンがどうか、その次に新しいオースティンとピープルズが絡んでくると見ています。もっとも、今の感じでオースティンを外すとは思えないので、投手の外国人枠は残り1枠。リリーフに課題を抱えるチーム事情を考えると、やはりエスコバーかパットンかとなります。これが編成の難しさですね。ぜいたくな悩みと言えるでしょうか。
古巣とあって、一番注目しているのは上茶谷です。去年、彼が新人王クラスの活躍ができると見込んでいたので、その力はある投手ですから、「左の今永、右の上茶谷」というWエースになることを期待しています。
中日は4位にしていますが、「楽しみ度」で言えばナンバーワンかもしれません。野手のレギュラーがしっかりと固まっていて、あとはピッチャーがどうか。梅津晃大や山本拓実という若手も出てきていますからね。二軍では根尾昂、石川昂弥の2人が頑張っていますし、チームの底上げができている印象があります。空白の3か月がなければ、石川の今季の一軍昇格はかなり早い段階であったかもしれません。
阪神は打線が課題と言われていましたが、開幕直前になってボーアのバットが火を噴いていますね。しかし、油断は禁物です。これはオースティンにも言えることですが、シーズン前と本番は全然別物なので。この時期、相手ピッチャーは打者を探っている部分もあります。新外国人選手に関しては、「打っているというより、打たされている」という面も少なからずあるでしょう。情報収集の段階なんですよね。
実際、僕が現役時代にはこうした“駆け引き”が行われていました。僕はそこそこコントロールが良い方だったので、監督から「あのコースに投げてみてくれ」と頼まれたこともありました。好調すぎても不安はあるし、これで打てなかったらどうしようもないという(笑)。だから、外国人選手は分からないんです。
前回、阪神の注目選手に挙げた藤浪晋太郎ですが、ここにきて残念なニュースが続いていますね。新型コロナウイルスの感染や練習遅刻による二軍降格、右胸の筋挫傷と……。ここ2年は彼も苦労しているので、ポテンシャルも考えたら本当に頑張ってほしい選手です。
ヤクルトは投打ともに苦しいのは間違いないですが、奥川恭伸がどれだけ早く出てくるのか楽しみです。開幕が遅れたことで彼の故障が癒えて、7月に一軍で投げていても何ら不思議はない能力を持っています。もっとも、では中6日でローテーション通りに投げてくれ、とはならないでしょうし、チームとしても大事に育てていくと思います。ただ、過保護にしすぎるのも良くはないですね。多少、身体に不安があっても、大事な場面で投げさせなければならない時がいずれ来ると思います。無理はいけませんが、しかし、そういう経験をすることで強くなることもありますから。それを見極める力が、高津臣吾新監督にはあると思います。
【著者PROFILE】
のむら・ひろき/1969年6月30日生まれ、広島県広島市出身。PL学園高ではエースで4番を務め、87年に甲子園春夏連覇を達成。87年ドラフト3位で横浜大洋ホエールズに指名されてプロ入りした。93年に17勝で最多勝を獲得するなど、2ケタ勝利を6度マーク。98年にはチーム最多13勝を挙げ、球団38年ぶりのリーグ優勝&日本一に貢献した。2002年に15年の現役生活を終え、引退後はコーチや解説者、評論家として活躍中。