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プロ野球

【斉藤和巳のセ・リーグ順位予想】順位の決め手は「投手力」。阪神は頭数こそいる一方で打線が…

斉藤和巳

2020.06.17

斉藤氏が「一番期待」しているチームが中日だ。ここ数年のドラフトでは、根尾をはじめ高校生野手を多く指名し、有望株の宝庫になっている。写真●金子拓弥(THE DIGEST写真部)

斉藤氏が「一番期待」しているチームが中日だ。ここ数年のドラフトでは、根尾をはじめ高校生野手を多く指名し、有望株の宝庫になっている。写真●金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、3月20日の開幕が延期になってから3か月。プロ野球の新シーズンが、ついに6月19日に幕を開ける。およそ5か月間で120試合を戦う未曾有の過密日程には、どんなドラマが待っているのか。現役時代はプロ野球史上7人目の投手五冠を達成し、パ・リーグ初の沢村賞を複数回受賞した斉藤和巳氏に、2020年シーズンの順位を改めて予想してもらった。

【斉藤氏のセ・リーグ順位予想】
1位 広島
2位 中日
3位 巨人
4位 阪神
5位 DeNA
6位 ヤクルト

 セ・リーグの順位予想は3月時点とまったく同じです。おそらく、広島の1位に少し驚く方もいるのではないでしょうか。3月7日から対外試合13連敗、22イニング連続無失点と苦しんでいましたからね。広島の強みに挙げていた打線がこれでは、と思うでしょう。もちろん、私も不安です(笑)。ただ、逆に言えば、これだけ負けることも打てないこともあまりないので、「シーズン前で良かったね」とも言えます。

 広島に関しては、どちらかと言えば投手の方が不安です。新人の森下暢仁は相当やると思いますが、順位予想において「新人と外国人選手に頼るチームは計算が難しいから評価しづらい」というのが僕のスタンスです。なので、森下が先発3番手に入ってくるのは、逆に言えば他の先発陣は大丈夫なのか、と考えてしまいます。
 
 2位の中日は期待値込みの部分が大きいです。ただ、前回も言ったように投打のバランスはまずまず取れているので、セ・リーグの中では悪くないチームだと思います。最近は二軍戦で根尾昂&石川昂弥のドラフト1位組や他の若手が頑張っていますね。3月の時には「根尾らを一軍の戦力としてカウントできない」と言いましたが、主力との兼ね合いもあるとはいえ、早期昇格もあるかもしれません。

 特に石川は楽しみな選手です。将来的には鈴木誠也(広島)クラスになっても不思議はありません。それだけの“大型新人”です。一軍のピッチャーと二軍では相当に差があるので今後、壁にぶつかることもあるでしょうが、ここまで周りの評価に応えているのはさすがです。長い目で見てあげてほしい選手ですね。 

 巨人はやはり投手陣が不安です。抑えは誰がやるの? と。メルセデスが故障せずに投げられれば、菅野智之と先発ローテーションを組めるはずですが、田口麗斗にしろ戸郷翔征にしろ、絶対的な頭数としてカウントはできないですよね。特に今年のプロ野球は連戦が多く、投手力がものを言うと思っています。これは広島にも言えることですが、彼らには投手のマイナス分を補えるだけの打線があります。そこが巨人との違いです。
 

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