専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
プロ野球

「大河、下向くなよ!」伸び悩む平沢大河にマリーンズファンが抱く歯がゆさと期待

浜田哲男

2020.07.08

 ただ、遊撃で絶対的な存在はまだいない。平沢にも当然チャンスはある。しかし、期待の大きさゆえに、もどかしさを感じるファンは多い。SNSでは「ライバルが増えて後輩の西巻賢二も入って本当に崖っぷち」「大河は自信を持ってやること。まだ遠慮している部分がある」「昨年は残念だったけど、まだ22歳。これからだよ!」といった声が飛び交う。

 確かにまだ22歳。回り道をしながらレギュラーをつかんだ選手は少なくない。平沢と同様、高校球界屈指の逸材としてプロ入りした高橋周平(中日)も、レギュラー定着まで長い時間を要したが、昨年はベストナインとゴールデン・グラブをW受賞。チームの看板選手となった。

 平沢も、前述した外野でのダイビングキャッチだけでなく、逆シングルでさばく華麗な遊撃守備、腕を畳みながら厳しい内角の変化球をさばいてスタンドまで運んだり、地面すれすれの球を拾う技術など、随所で優れた野球センスを見せてきた。多くのファンがその才能を知っているがゆえに、現状に歯がゆさを感じているのだ。
 
 平沢が不振に陥ったり、ミスをした時、ZOZOマリンのスタンドからは「大河、下向くなよ!」と声が飛ぶ。

 18年8月24日のオリックス戦、平沢は右翼の守備でタイムリーエラーを含む2つの失策を犯し、チームは逆転負けを喫した。しかし翌日、「悔しさを晴らしたかった」という言葉通り、適時打を含む3安打の活躍。この日はオリジナルの応援歌がお披露目され、「かっこいいなと思います。多く歌っていただけるように頑張っていきたいと思います」と意気込みを見せていた。

 その日からもうすぐ2年。ファンが期待していた場所に到達できていないもどかしさは自身が一番感じているだろう。状況は苦しくとも、ひたむきな努力を続ければ、必ず報われる時は来るはずだ。

文●浜田哲男

【著者プロフィール】
はまだ・てつお。千葉県生まれ。専修大学を卒業後、広告業界でのコピーライター業を経てフリーライターに。ワールド・ベースボール・クラシックでの取材をはじめ、数々のウェブスポーツメディアで編集・執筆・取材に携わる。

【千葉ロッテPHOTO】報道陣の数に選手も驚き!?ロッテが石垣島でキャンプスタート!
 

DAZNなら「プロ野球」「Jリーグ」「CL」「F1」「WTAツアー」が見放題!充実のコンテンツを確認できる1か月無料体験はこちらから

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号