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プロ野球

あまりにも惜しい”大記録未遂”!ノーヒットノーランを9回2死から逃した投手たち

筒居一孝(SLUGGER編集部)

2020.08.06

 その別所を上回る通算320勝を記録した小山正明(当時東京)は、結局ノーヒッターには縁がなかった。彼は65年7月15日に9回2死からノーヒッターを逸したのみならず、56年6月6日の大洋(現DeNA)戦で「初回先頭打者に安打を打たれた後、27人をパーフェクトに抑える」という珍記録も残している。「最初に1人のみに安打」と「最後の1人のみに安打」を両方達成したのは小山ただ一人だ。

 彼らの後に“不運”の代名詞として知られたのが、ロッテでサブマリンとして活躍した仁科時成。83年8月20日の近鉄戦では、9回2死で迎えた3番・仲根正広へのシンカーが真ん中へ入り、ライト前へ運ばれた。84年5月29日には、同じ近鉄戦で再びチャンスが巡ってきたが、この時は2番・平野光泰に今度はスライダーを打たれた。
 
 史上最も“不運”な投手の称号は、おそらく西口文也のものになるだろう。02年8月26日の対ロッテ戦、05年5月13日の巨人戦で、それぞれノーヒッターを寸前で逃しただけでなく、実は05年8月27日の対楽天戦でも、あと一歩で完全試合を逃している。いや、正確にはこの時、9回を終了した時点で楽天打線をパーフェクトに抑えていたのだが、一方の西武打線も、楽天の先発・一場靖弘の力投の前に沈黙。試合は延長に突入し、10回先頭の沖原佳典にヒットを打たれ、大記録は3度西口の手から逃げていった。

 西口は15年の引退会見で「ノーヒットノーランを3度も逃したことが心残り」と語っている。やはり今回の涌井のように「そんなもんでしょう」と簡単に割り切ることはできなかったようだ。

文●筒居一孝(SLUGGER編集部)

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