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高校野球

「3年生のための大会」で優れた素質を示した明豊の2年生左腕・太田虎次朗。来年は好投手大豊作の予感も

氏原英明

2020.08.12

 20人全員を出場させた明豊の川崎監督にも同じ意図が感じられたわけだが、それとはまた別に、今年の2年生はコロナ禍にあるかどうかに関わらず、楽しみな選手が多いのも事実だ。

 中学生時代に150キロを投げたことで名を馳せた高知の森木大智。まだ全国デビューはしていないものの、この世代でいち早く注目を浴びた。また、今大会に出場する大阪桐蔭には関戸康介、松浦慶斗の両輪がいるし、智弁学園の小畠一心、西村王雅、この日の第1試合で登板した天理の長身右腕・達孝太などがいる。

 太田は言う。

「直接の面識はないですが、大阪桐蔭の松原投手、他にも、九州では樟南高校に1年生の夏から投げていた投手がいるので、そういった投手に負けないように頑張りたい」

 もっとも、この日の太田は先頭打者に手痛い一発を浴びた。明らかに長打狙いで打席に立っていた相手の主砲・佐々木泰に左翼スタンドへ運ばれたのだ。
 
 ただ、こういう経験こそ、投手を大きくするものでもある。3年生ばかりの中に出てきた2年生がキレイなボールを投げ、そして打たれる。この経験は彼にとって大きな財産になるだろう。

 太田は続ける。

「今日はベンチ外の3年生の思いを持って気持ちを出して投げました。ホームランを打たれましたけど、その後、落ち着けて楽にピッチングをすることができました。これからチームに帰って、全員から応援されるような、信頼されるエースになりたい。次の甲子園では145キロ以上を出せるように頑張ります。新チームでは日本一を目指したい」

 近年の大分の野球は進境著しい。プロの世界で、今宮健太や甲斐拓也(ともにソフトバンク)、源田壮亮(西武)らの活躍は、大分の球児たちにとっても誇りになっているだろう。今大会も大分県からは2校が出場している。

 その中にあって甲子園デビューを果たした2年生左腕・太田虎次朗。大豊作の匂いがぷんぷんするこの世代に注目せずにはいられない。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

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