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高校野球

清原に並んだ平田良介、史上最強1番・浅村栄斗――元球児たちが甲子園で作った伝説

藤原彬

2020.08.17

■森友哉(大阪桐蔭)
 小柄な体格ながらスウィングは力強く、西谷浩一監督もボールを捉える能力を「歴代ナンバーワン」と評価。打球は広角に鋭く飛び、芯を外しても外野に落ちる。1学年上の藤浪とバッテリーを組んだ2年夏は、捕手ながらリードオフマンとして打率4割、主将を務めた3年夏は5割とその能力をいかんなく発揮した。最後の夏は、自身の誕生日である8月8日の1回戦、日本文理との試合は2本のアーチをかけて祝砲。

■安樂智大(済美)
 身体全体を目一杯に使う豪快なフォームが特徴で、甲子園最速タイ155キロの記録保持者。規格外の力投ぶりが話題を集めた。準優勝した2年のセンバツでは、初戦の広陵戦でいきなり延長13回を投げ抜いたのを皮切りに、5試合で計46イニング、実に772球もの球数を投じ、国内外で議論の的に。その疲労や負傷の影響か、2か月の治療期間を経て出場した夏の甲子園では自慢の速球が打ち込まれて2回戦で花巻東に敗れたが、延長10回に意地の3ランを放った。

■中村奨成(広陵)
 走攻守の三拍子を揃えたスーパー捕手が、3年生だった17年夏の甲子園で快音を鳴り響かせ続けた。高く掲げたバットを振り抜いて、あらゆる方向へ打球をスタンドインさせ、3試合連続アーチやマルチ本塁打2度と派手な立ち回り。最終的には85年に清原和博(当時PL)が樹立した5本塁打の大会記録を更新する6本塁打。17打点、43塁打でも大会記録を樹立し、19安打と6二塁打も最多タイと歴史に残る猛打を見せた。打率.679をマークし、三振は花咲徳栄との決勝で喫した2つだけだった。
 
■根尾昂(大阪桐蔭)
 恵まれた身体能力と明快な知性で、遊撃手・投手・外野手と“三刀流”で活躍。投手としては最速148kmを計測し、守備でも軽快な動きを見せた。1年夏にベンチ入りすると、文武両道の姿勢で先輩からも「根尾さん」呼び。2年から4度聖地の土を踏み、3年夏には甲子園初本塁打を含む3ホーマーを放ち、走・攻・守・投の四拍子の活躍で、藤原恭大(現ロッテ)、柿木蓮(現日本ハム)、横川凱(現巨人)ら“大阪桐蔭最強世代”とともに大阪桐蔭2度目の春夏連覇に貢献した。

■奥川恭伸(星稜)
 最速154kmの速球をズバッと投げ込み、切れ味鋭い変化球で面白いように空を斬らせる。2年生だった18年夏は2回戦でタイブレークの末に済美に敗れたが、3年夏は初戦から準決勝までの4登板で失点なしと圧倒的な支配力を見せた。圧巻は延長14回を165球を投げ切った3回戦で、強打の智弁和歌山から歴代2位タイの23奪三振。決勝はセンバツ初戦で完封した履正社に5点を取られてリベンジを許したが、完成度の高さは図抜けていた。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@struggler_AKIRA。

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