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プロ野球

【氏原英明の本音で勝負!】左打者に打ち込まれている西武投手陣。手詰まりの状況を打開するために必要なことは…

氏原英明

2020.08.25

 これほど極端な打線を組んでくるのは、西武が勝負どころで投入してくる左投手に怖さがないということでもある。特に7回以降は、ビハインドの展開以外では左投手がマウンドに立つこと自体が少ないから、左打者が並んでいても、打線が分断されることがない。

 先発投手陣が対左打者を得意としていれば、起用も変わるだろうが、むしろ逆だ。高橋光成、ニール、與座海斗はいずれも対左打者の被打率が右より高い。現在、中継ぎに配置転換中の今井達也に至っては、対右打者の被打率.198に対し、対左は.371にまで跳ね上がる。各チームが優秀な左打者を揃える中、この現状では苦戦するのもやむを得ない。

 さらにその歪みは、「勝利の方程式」と呼ばれる勝ちパターン継投を担う投手たちにも影響を与えている。なぜなら、西武がリード時に左投手を投入してくることはほとんどないわけだから、平良海馬、ギャレット、増田達至の右腕は徹底的に研究される。左が並ぶケースは左投手に任せるなどの起用ができれば、彼らの負担は減るだろうが、常に相手に研究された上でのピッチングをしなければいけないのだ。
 
 現状の西武はほとんど手詰まりに近い状態だ。今から先発投手の対左打者成績を改善するのは至難の業。かと言って、現有戦力の中でリリーフ左腕として適性がありそうな投手も見当たらない。オリックスのような首脳陣の大粛清を敢行したところで、状況は変わらないだろう。
 
 手を打てるとしたら一つだけ。主力クラスを放出する大出血覚悟のトレードで左投手を補強するしかないのではないか。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

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