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プロ野球

お股ニキが選ぶ「育成と補強の融合」を果たした巨人優勝のキーマンとは? 

お股ニキ

2019.09.24

編成能力の高さを遺憾なく発揮した原監督の手腕も見事だった。(C)Getty Images

編成能力の高さを遺憾なく発揮した原監督の手腕も見事だった。(C)Getty Images

【影のMVP】
 今年の巨人軍は、実際には山口俊、坂本、丸を除いてはこれと言った突出した選手は多くはない。そこそこ優秀な選手を大量に抱え、原辰徳監督がそれをうまく運用していたイメージだ。

 4番の岡本和真は序盤こそ低調だったが、8月以降は主砲にふさわしい活躍を見せたし、経験豊富な亀井善行阿部慎之助の両ベテランも打撃でチームを牽引した。大城卓三はファースト兼キャッチャーとしてよく頑張ったが、捕手としてはブロッキングやカバーで課題を残し、打撃ではチャンスでやや消極的な姿勢が目立った。打てるのだからもっと積極的な姿勢を持てたら上のレベルにいけるはずだ。

 小林誠司はフレーミングと配球、強肩でチームに必要不可欠な存在であることを改めて感じさせ、「勝てる捕手」であることを証明した。新加入の炭谷銀仁朗も、小林にはないカーブをメインとした配球でブレイクした桜井俊貴らをうまくリードし、交流戦でも読みの鋭い打撃で活躍した。
 吉川尚輝が離脱したセカンドの穴も、好調時に若林晃弘山本泰寛田中俊太を交互に起用して凌いでいた。増田大輝は、守備と鈴木尚広の後継者とも言える優れた走塁で試合終盤の1点をもぎ取る攻撃に貢献し、優勝を決めた試合では延長10回に決勝タイムリー。育成ドラフトから這い上がった職人が最後に決めたあたりが、「育成と補強の融合」を果たした巨人らしかった。

 投手陣に目を移すと、先発では桜井、メルセデス髙橋優貴らが及第点。5~6回くらいまでは試合を作った。中川皓太は腕を下げてスピードとスライダーのキレが上がり、「ポリバレントクローザー」(試合の展開に応じて7~9回に流動的に登板する起用)として異色の出来だったが、前半戦の登板過多によりシーズン終盤はコンディションを落としたのがやや悔やまれる。

 澤村拓一は、6月以降にジャスティン・バーランダー(アストロズ)並のストレートを投げ込む圧巻の投球を披露。オープナーとして3イニングをパーフェクトに抑え込むなど実際の貢献度は高かった。戸根千明も左のショートリリーフとして前半戦は頑張っていた。故障がなければ最後まで貴重な戦力となっただろう。
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