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プロ野球

【氏原英明の本音で勝負!】アメリカでの12年の経験は日本の宝となるはず。田澤純一の財産を無駄にするな!

氏原英明

2020.11.02

 周知のように、田澤ほどの経験を踏んだ選手はそれほどいるわけではない。社会人野球の第一線で活躍後、プロ野球を経ずにそのまま海を渡り、1年目でメジャーデビューを果たしたが、トミージョン手術を受けて翌年はシーズン全休。しかし、そこから見事に復活して12年からはメジャーに定着。13年にはセットアップとして上原浩治(元レッドソックス)とともにワールドチャンピオンに輝いた。

 慣れない海外生活、マイナーでの経験、トミー・ジョン手術、そして、チャンピオンリング獲得。これほどの経験はなかなか積むことはできない。彼が発する一言一言、練習に散り組む姿勢、トレーニングについての知識など、学ぶべきものは多くあるはずである。

 最近の日本球団がアメリカナイズされてきたのは誰もが知るところだろう。デトロイト・タイガースのGM補佐を経験した日本ハムの吉村浩GMは白井一幸、金子誠、矢野謙次らを提携メジャー球団にコーチ留学として派遣している(敬称略)。そのうち、白井はヒルマン監督の参謀となり、日本一にも貢献している。

 白井は当時の経験をこう語ったものだ。
 
「ヤンキースのGM室には5年後、10年後のオーダーが書かれていました。つまり、どうやってチームを補強していくのかということになるんです。常に先を見たチーム作りをしていました。一方、指導者については、日本では選手の失敗したことを怒ることが、指導者らしさであることが多い。しかし、我々にとって、大事なのは『指導者らしさ』ではなくて、選手の成功が我々の成功だということです。従来の球界の常識的な指導方法を継承することよりは、選手の成功にどう関わっていけるかを考えるようになりました」

 白井だけではない、それこそ、メジャー経験者の財産は日本野球界に生かされている。

 現在ヤクルトの指揮を取る高津臣吾は監督就任前の15年、投手コーチとしてリーグ優勝に貢献した。その年、彼はブルペン陣の登板前の投球機会を制限した。これは自身が経験したメジャーや韓国、台湾球界での調整法を取り入れたものだった。
 

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