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プロ野球

「よく3点に抑えてくれた」エース・千賀滉大の“奮投”に工藤監督が称賛!ソフトバンク、日本シリーズ進出王手

喜瀬雅則

2020.11.14

 それでも、本塁打を打たれた後の安田に対しては、残る2打席はいずれも150キロ超のストレートで押して、内野ゴロに仕留めた。引いては押しの“引き”は冴えずとも、押すべき“力”で、何とかまとめ上げた7回3失点。被安打8ながら、8三振を奪い、CS歴代1位となる奪三振を「68」まで伸ばした。2010年育成ドラフト同期の捕手・甲斐も「打たれたけど、粘り強く投げてくれた結果だと思う。持ち味のフォークで本塁打を打たれたけど、その後の千賀は、心も折れることなく投げてくれた。さすがだと思いました」。
 
 そう振り返った甲斐は、同点の8回2死満塁、ロッテ・沢村の152キロ直球にどん詰まり。ボテボテのゴロを遊撃前に放つと、全力疾走で一塁へヘッドスライディング。その執念が実っての決勝内野安打で、4―3の逆転勝利。「先制点を取られてしまったので、いい投球だったとは言えませんが、野手の方が追いついてくれて、本当に力になりました」と決して「自分」を前に出さず、我慢の投球を続けたエースの“奮投”で、ソフトバンクは昨季から、ポストシーズン11連勝。4年連続日本シリーズ進出へ、一気に視界が開けた。

取材・文●喜瀬雅則(スポーツライター)

【著者プロフィール】
きせ・まさのり/1967年生まれ。産経新聞夕刊連載「独立リーグの現状 その明暗を探る」で 2011年度ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。第21回、22回小学館ノンフィクション大賞で2年連続最終選考作品に選出。2017年に産経新聞社退社。以後はスポーツライターとして西日本新聞をメインに取材活動を行っている。著書に「牛を飼う球団」(小学館)「不登校からメジャーへ」(光文社新書)「ホークス3軍はなぜ成功したのか?」 (光文社新書)
 

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