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プロ野球

中村晃が男気の”ふた振り”でCSを4連覇!「負けをつけるわけにはいかない」と東浜の粘投に応える大仕事

喜瀬雅則

2020.11.16

 1点差に追い上げると、東浜が2回から4回まで、毎回走者を背負いながらも無失点でしのぎ、巡ってきた中村の第2打席は、4回1死二塁での同点機。今度は、133キロのスライダーを捉えると、放物線を描いた打球は、再び右翼席へ。逆転となる2打席連続本塁打が飛び出すと、続く松田宣浩も、その初球を左翼席へ運ぶ追撃の1号ソロ。コロナ禍で声を上げての応援は禁止とされているはずだが、一塁ベンチ前で松田宣が右拳を突き上げると、さすがに博多のファンも黙っていられない? とばかりに、一斉に「あつお~」。リードが2点に広がり、勝利への機運が一気に高まった。

「巨(東浜のこと)も何とか粘って投げていたし、巨に助けてもらった試合もたくさんあったので、負けをつけさせるわけにはいかないと思った」と中村。両膝痛と体調不良も重なり、今季は開幕2軍。それでも復帰後は、その巧みなバットコントロールで、スタメン4番も26試合。周東佑京が1番に定着してからは2番に座ることが増えたが、この日はロッテ先発のチェンが左腕ということもあって、2番に川島慶三、7番に中村。この入れ替えピタリと的中した工藤采配は、継投でも冴えを見せた。
 
 1点差に追い上げられた7回2死から、最優秀中継ぎのタイトルを獲得したセットアッパーのモイネロを投入。8回を含め、打者4人をピシャリ。今年2度目となる「回またぎ」にも「普段通り投げられたよ」。守護神・森唯斗は2点リードの9回、1死満塁のピンチを招くも、無失点で締めくくった。今回のCSは、2試合とも勝利投手がモイネロで、セーブが森。シーズン通りの鉄板リレーだった。

 次の舞台は、1965年から73年に9連覇を達成した巨人以来となる、4年連続日本一をかけた頂上決戦。工藤監督は「今回のCSはロッテさんに2勝という形で終わったが、ひとつ間違えれば2連敗の可能性もあった。それだけ緊迫した試合でわずかな差だった」と”総括”した上で「パ・リーグの代表。みんなの思いもしっかり背負って、4連覇できるように頑張りたい」と決意表明した。

取材・文●喜瀬雅則(スポーツライター)

【著者プロフィール】
きせ・まさのり/1967年生まれ。産経新聞夕刊連載「独立リーグの現状 その明暗を探る」で 2011年度ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。第21回、22回小学館ノンフィクション大賞で2年連続最終選考作品に選出。2017年に産経新聞社退社。以後はスポーツライターとして西日本新聞をメインに取材活動を行っている。著書に「牛を飼う球団」(小学館)「不登校からメジャーへ」(光文社新書)「ホークス3軍はなぜ成功したのか?」 (光文社新書)

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