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プロ野球

「ワンチーム」で2連覇をつかんだジャイアンツ。昨年叶わなかった日本一の夢を今度こそ【密着女子アナが見た巨人】

真鍋杏奈

2020.11.17

 大城卓三は、菅野と開幕戦以外はすべてバッテリーを組んだ。入団1年目に菅野と初めて組んだ時に大城と話したのを覚えている。

「めちゃくちゃ緊張しました」。普段あまり緊張する性格ではないと本人は話していたが、その時は少し萎縮しているように見えた。だが、今季は堂々と菅野の球を受ける姿が印象的だった。

 菅野も「大城の成長も感じながら、自分自身でも新しい発見もあり、いい時間を過ごせている」と話していた。打撃では、社会人(NTT西日本)からずっと守ってきたフォームを変更し、シーズン序盤・中盤とチームに貢献した。

 増田大輝は、怪我による離脱もありながらリーグ2位の23盗塁。試合終盤の大事な場面に、代走として登場して何度も盗塁を決め、ファンの間では“神走塁”と呼ばれた。増田が代走で出てきたら、皆さんもワクワクしていたでしょう。
 
「自分ではそこまで足は速くないと思っている」。昨年、増田を取材した時にそんな言葉を聞いて驚いたが、「そう思っているからこそ、練習していろいろな技術を身につけ、盗塁への自信にしている」と話していた。今季は自信を持って、走っている姿があった。

 原監督の采配にそれぞれの選手が、チームのためにしっかり応えた。「個人軍ではなく、巨人軍であれ」。監督が常々話すモットーがしっかり実戦されていた。ウイルスという見えない敵とも戦いながら、全員で目標に向かっていった。

「フォーム変わったな」「この場面どんな事を考えているんだろう」。私のいつものクセで、いろいろなことを考えながら中継を観て、モヤモヤしていることもあったが、勝った時の喜び、負けた時の悔しさは去年までと変わらなかった。

 スポーツには力があると改めて感じた今シーズン。みんなでともに戦い、助け合ってきたチームの絆はさらに強くなっている。昨年は叶わなかった日本一の夢を手に入れて、もう一度喜びたい。

取材・文●真鍋杏奈(フリーアナウンサー)

【著者プロフィール】
まなべあんな/ホリプロ所属、フリーアナウンサー。ラジオ日本『ジャイアンツナイター』ベンチリポーターやスポーツニュースを担当。スポーツ全般を取材。プロ野球、社会人野球、高校野球の番組にも出演。趣味はスポーツ観戦とゴルフ。
 

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