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プロ野球

浅尾を攻略した“下克上”ロッテ、前日160球完投の田中が連投リリーフ…2010年代日本シリーズ名勝負五選

藤原彬

2020.11.18

■シリーズMVP、新人王、“神の子”による豪華リレー
【2013年第7戦】楽天3-0巨人(Kスタ宮城)

 運命のシリーズ第7戦。前日に逆王手をかけられた楽天だが、初回に先制点を挙げると、2回と4回にも1点ずつ追加。援護を受けた先発の美馬学は6回1安打の好投で応え、7回からはルーキーの則本昂大が2イニングを無失点。そして、星野仙一監督が最後にマウンドに送ったのは前日の第6戦で160球を投げていた田中将大だった。

 場内アナウンスで田中の名前が告げられると、観衆は登場曲『あとひとつ』(FUNKY MONKEY BABYS)を大合唱。「ものすごくこみ上げてくるものがあった」という田中だったが、マウンドでは鬼の形相を崩さず、2本のヒットを許しながら、最後は代打の矢野謙次を伝家の宝刀スプリットで三振に仕留めて球団創設以来初の日本一を手繰り寄せた。シーズン24連勝に続き、日本シリーズでも伝説を作った田中は翌年からメジャーリーグに活躍の場を移した。
 
■シリーズの流れをひっくり返した劇的サヨナラ満塁弾
【2016年第5戦】日本ハム5X-1広島(札幌ドーム)

 互いにホームで連勝して迎えた第5戦、初回に先制された日本ハムは、7回に同点に追いつく。1対1で迎えた9回には、1死のあと広島の守護神・中崎翔太から四球と犠打でチャンスを作ると、中島卓也の内野安打で一、三塁。続く岡大海が死球を受け、両軍がベンチ前に出て騒然する場面もあったが、場内のボルテージが最高潮に達したのは、2死満塁で迎えた次の打席だった。

 それまでシリーズ20打数2安打と苦しんでいた西川遥輝が高めに浮いた149キロのストレートを振り抜くと、高く舞い上がった打球はライトスタンドに飛び込んだ。ガッツポーズを繰り返しながらダイヤモンドを周った殊勲者は「何が起こったか分からないくらい興奮しています」。シリーズ史上2人目のサヨナラ満塁弾で王手をかけた日本ハムは、第6戦にも勝利して10年ぶりの日本一をつかんだ。
 

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