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プロ野球

ヤクルト残留の山田哲人、7年35億円は球界最長タイ!しかし、過去に「8年総額60億円」を蹴った選手がいた

新井裕貴(SLUGGER編集部)

2020.11.19

 全体を見ると、やはり巨人が5年以上の契約を与えた球団としては最多を数えるが、実は中日も同数の3名を輩出している。しかも、全員が同じ2008年オフのことだった。最初に契約を交わしたのは井端弘和で、年俸はベースなしの変動制という選択。本人は40歳まで現役を続けるために7年契約を望んでいたというが実現はしなかった。その後に、“アライバ”の荒木雅博と森野将彦も5年契約でFAせずに残留。

 現在の中日は「お金に渋い」イメージがあるかもしれないが、当時は黄金期真っただ中。2007年はリーグ2位からCSを勝ち上がり、球団53年ぶりの日本一を達成した。しかし、同年限りで中軸の福留孝介がメジャーへ移籍し、08年は3位に順位を落とした。そして08年オフにはエースの川上憲伸も渡米を決断。これ以上の主力流出は防がねばならないという事情があったことも、大盤振る舞いをした理由かもしれない。
 
 日本の場合はFA権を取得するまでに、大学・社会人入団の選手は7年、高卒入団選手は8年を要する。海外FA権は9年だ。高卒1年目から一軍で大活躍し、大きな故障なくプレーした場合でも、FA権を行使できるのは25歳前後。もちろん、これは非常に難しいので、履正社高からプロ入りした山田が28歳でFA権を取得したのは異例のスピードと言えるだろう。

 そして、年数も契約額も山田を超える可能性が高かった選手がいる、松井秀喜だ。巨人でプロ入りした天才打者はプロ1年目からレギュラーに定着すると、2年目に20本塁打、4年目には4打席連続敬遠もあって1本差でタイトルを逃したものの38発。そして6年目、24歳の時に本塁打王・打点王・最高出塁率に輝いた。

 その後も球界最強クラスの打撃成績を残し続けてMVPに選ばれた2000年オフ、巨人は2年後にFA権を取得する“ゴジラ”に「8年総額60億円」を提示した。結果はご存知の通り、松井はこれを受諾せず、02年オフに憧れのヤンキース入団を果たしている。

 今後、「ネクスト山田」「ネクスト松井」のような大型契約を手にしたり、提示されるような選手が現れるのか。その時は日本球界に、本物のスーパースターが誕生したことの証左となるだろう。

文●新井裕貴(THE DIGEST)
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