この現状を考えると、高津臣吾新監督が明言しているように即戦力型が多く欲しいのは事実で、佐々木朗希（大船渡高）や奥川恭伸（星稜高）ではなく森下暢仁（明治大）を１位指名することが濃厚とみられている。一方で、長期的な視野に立てば、ちょうど今年台頭した高橋奎二のような伸びしろの大きい素材型も確保しておきたい。身もふたもない言い方になるが、今年に限っては投手を大量に指名して一気に若返りを図るのも手ではないか。

　特に即戦力では、本塁打が出やすい神宮球場で好成績を残せるゴロ系投手を指名しておきたい。成瀬善久（現オリックス）や高梨裕稔など、ＦＡ／トレードでなぜかフライ系投手を獲得して失敗しているが、本拠地球場との相性も考慮しながら好素材を発掘したい。

　もっとも、今季は守備の乱れが目立ったのも事実。ゴロ系投手を多く獲得しても、内野手がしっかりアウトにできないのでは意味がない。遊撃の廣岡、三塁再挑戦が予定される村上はいずれも守備に不安を抱えるだけに、好守の即戦力内野手を指名して安定を図りたいところだ。
  ポジション別年齢分布
・陣容は10月３日現在。年齢は2019年の満年齢
・●＝主力選手、★＝若手有望株
・外国人選手は原則として除外。育成選手は来季開幕までの支配下登録が有望な選手のみ表示（＊）

【投手】
19歳：２人　市川（救援）、鈴木（救援）
20歳：２人　●梅野（救援）、金久保（救援）
21歳：１人　寺島（先発）
22歳：２人　●高橋（先発）、ジュリアス（救援）
23歳：２人　清水（先発）、久保（救援）
24歳：１人　蔵本（救援）
25歳：４人　星（救援）、田川（先発）、坂本（救援）、中尾（救援）
26歳：２人　●原（先発）、風張（救援）
27歳：１人　大下（救援）
28歳：２人　●高梨（先発）、平井（救援）
29歳：１人　●小川（先発）
30歳：１人　屋宜（救援）
31歳：２人　●石山（救援）、●山田大（先発）
32歳以上：５人　●石川（先発）、●近藤（救援）、●五十嵐（救援）、山中（先発/救援）、中澤（救援）
戦力外/引退：沼田（25歳）、岩橋（28歳）、村中（32歳）、寺原（36歳）、館山（38歳）