それだけに、一部で奥川恭伸（星稜高）ではなく石川昂弥（東邦高）を１位指名に推す声があるのも理解できる。ただ、石川は高校生だけに、本格化までに時間を要する。向こう１～２年でＣＳ進出を目指すなら、大学・社会人の即戦力を補強したい。実は、捕手も密かな補強ポイント。今季、最も先発出場が多かった加藤匠馬はすでに27歳。次代の正捕手と期待される石橋との間を埋める選手が欲しい。また、捕手の攻撃力も他のチームと比べてかなり弱いので、ここでもできれば強打の選手を指名したいところだ。そう考えると、外野もできる佐藤都志也（東洋大）は補強ポイントと一致する。

　現実的に考えれば、１位は定石通り投手だとしても、２位～４位で複数の野手を指名するべきだろう。今年のドラフトは全体に野手が不作と言われるが、すでに顕在化している歪みを正す意味でも、何とか優れた素材を発掘したいところだ。 ポジション別年齢分布
・陣容は10月３日現在。年齢は2019年の満年齢
・●＝主力選手、★＝若手有望株
・外国人選手は原則として除外。育成選手は来季開幕までの支配下登録が有望な選手のみ表示（＊）

【投手】
19歳：２人　垣越（先発）、★山本（先発）
20歳：２人　清水（先発）、石川翔（先発）
21歳：１人　●藤島（救援）
22歳：３人　●小笠原（先発）、●鈴木博（救援）、勝野（先発）
23歳：１人　★梅津（先発）
24歳：３人　●笠原（先発）、鈴木翔（先発）、丸山（救援）
25歳：１人　●柳（先発）
26歳：２人　佐藤（救援）、木下雄（救援）
27歳：３人　●福（救援）、三ツ間（救援）、阿知羅（先発）
28歳：３人　●岡田（救援）、伊藤準（救援）、福谷（救援）
29歳：３人　又吉（救援）、小熊（救援／先発）、松葉（先発）
30歳：１人　田島（救援）
31歳：１人　●大野雄（先発）
32歳以上：４人　吉見（先発）、山井（先発）、祖父江（救援）、谷元（救援）
退団：松坂（39歳）